【特別企画 : 第2回 : 「円安関連倒産」の動向調査】 倒産集計 http://t.co/LkzSpvfaOr "倒産件数は794件で、前年同月比13.5%の大幅減少を記録し、15ヵ月連続で前年同月を下回り、10月としては2004年(726件)以来10年ぶりに800件を割り込んだ" pic.twitter.com/mw45A79sPm
為替が変動すれば海外とやりとりをしている企業は目論見のレートと実情がずれることで、より多くの利益を得たり、損失を被ったりする。中には変動に備えた金融商品で逆に大やけどをするところも出てくる(これが原因で倒産する企業も少なくない)。で、最近は歴史的な円高から円安への流れにあることから、かつて紙上を賑わせた円高倒産は減り、円安倒産が増えている。円高倒産が相次いだ時には多分に企業努力が足りないという論調が報道され、一種の理不尽さを覚えた感もある。いわく「自国の通貨が高く評価されるのだから、それで倒産するとは何事だ」的な雰囲気。
円高倒産は、改善が足りないだのえらい言われよだったのを思い出して猛烈に怒り狂ってる。
— 御神楽 舞 (@mikaguramai) 2014, 12月 5
......といった類の意見が出てくるのも当然の話。で、逆に、昨今の円安基調の中で倒産する企業が以前と比べて増えた事に関して、上記のような報道が相次いでいる、のだけど。
もう一つのデータ帝国データバンクの倒産集計を見れば分かる通り、倒産件数、負債総額ともに漸減する傾向にある。企業の新陳代謝は常に起きているので「最近減っているのは、すでに体力のない企業が先んじてコケたから」という説明は通りにくい。それが通るのならもっと前から漸減していたはずだから。
円安は確かに倒産起因の一つではあるし、憂慮すべき部分もあるけれど、それのみですべてを語るような論調はどうよ、という感はある。つまり円安倒産は倒産起因の一つでしかなく、倒産を語る場合は全体像を呈した上で、そのうち円安による云々と語らないとおかしなことになりかねない。何よりも上記で触れている通り、概して円安倒産を伝える側が、かつての円高倒産を伝えた時のような姿勢から180度向きを変えたような伝え方をしているのは、どういうことなんだろう。無論企業を叩けと言っているわけじゃなく、なぜ円高の時に同じような伝え方が出来なかったのか、ということ。
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