経済動向と各種指標の先行・遅行状況

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経済の状況は自分自身の身の回りの生活だけでなく、さまざまな指標でその胎動を知ることが出来る。先日からドルベースで話題に登っているGDPもその一つ。有名どころとしては株価や雇用情勢が挙げられる。この2つは現時点のモノを表しているのではなく、株価は先行指標、雇用は遅行指標となりやすい。株価については「将来伸びるのなら早めに投資しておけば儲かるだろう」という思惑によるもの、雇用は得てして年ベースで行われるのに加え、よほど足元ががっつりと固まらないと解雇がしにくい人材は雇えない(すぐに景気が思惑と違う方向に行くと、コストが余計にかかるだけとなる)ってのが理由。

景気が上向き出すと、まず最初に非正規雇用が雇われるってのもここが一因。上向き始めた時点では「またダマシかも? すぐに景気は尻つぼみになるのでは?」との疑心暗鬼が強いため、解雇が容易な、雇用の上で機動力に長けた非正規雇用が好まれる次第。で、非正規雇用だけでは補えない程業務上のリソースが不足して来たり、「これだけ堅調なら正規雇用でも大丈夫かな」という判断が成されれば、正規雇用も増えてくる次第。

だからバブル時代における経済の実情と、それが壊れ始めたあとの時期って、結構人によって身に覚える部分に違いがあったりする。


なんて話も良く聞くよね。

まぁ最近では完全失業率の概念の上で「非労働力人口のうち『就職する意欲はあるけど諦めて就職活動はしていない』人を『影の失業者』として扱うべきだ、雇用市場が厳しいあまりに諦めてしまうってのは仕方がないではないか」なんて話もある一方、就職活動はハローワーク通いだけがカウントされるわけでは無いので、就職活動をしていない人を失業者とするのは、結局就職する意欲において一般の失業者と比べて欠けているから、同列に扱うのは問題ではないかとする話もあり、結構ごちゃごちゃになる。また、正規・非正規の問題もあるし、ね。

だから雇用情勢一つとっても、色々と複数の指標を見比べる必要があるわけで、単純に遅行指標とは言い切れない部分も出ている。むしろ非正規部分のみを抽出すれば、ほぼ遅行なしの指標と見ることもできるかもしれない。

この辺りは一度、株価とGDPと完全失業率あたりのグラフを重ねるなりして、じっくりと検証したいところではある。

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このページは、不破雷蔵が2014年12月11日 07:45に書いた記事です。

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