漫画やゲームを無料にしろってことは自分が働いても給料無しで良いってことよ的な意見に、そう思わないクリックががしがし付いてたのを見たときは怖かったなぁ
— 湖西晶@お仕事募集中です (@akikonishi) 2014, 12月 14
先日の【「漫画やゲームは全部無料にすべき」、それは超ブラック企業的なものを意味する】へのレスポンス的なお話。個人的には「無料万歳、作り手の労苦など知ったこっちゃない」の増幅傾向と、元々そのような考えを主張・所有する人が一定量存在し、それが露出される機会が増えただけ、の双方のパターンによる結果が現状だとは思っているのだけど。ネットの普及により意志疎通が容易になったことで、その部分があちこちに広まり、しかも作り手に直接届くようになったのが、昨今の問題の一つのポイントだと考えている。
意見がある人は具体的に声を挙げるけど、意見の無い人は具体的行動は起こさないからね。「そう思わないクリックががしがし付いてた」とあるけど、それを遥かに凌駕する人が、そう思う......という意見だったという感はある。でも「そう思わない人」が体現化することで、具体的に見えてしまい、恐怖となる。10万人の支持者がいるっぽい雰囲気があっても、100人の声高な反対者が居れば、怖さを覚えて頭を抱える。
だから逆に、その部分を割り切ってしまえば、ある程度このタイプの話はスルーが出来る。ネットスラング的には「お前が思うのならそうなんだろう、お前の中ではな」的な感じで。ただ、無料が大義、的な話が広まり主流となると、それはそれで問題には違いない。
一方、これに絡んでのやり取りで、興味深いいきさつも。結局この部分も、人の成す事と対価に係わるお話ではあるのだけど。
創作の価値とかいう単純な話じゃなく、ひとつの作品にはスタッフ・印刷・流通・販売...といっぱいのお仕事が関わってる。ネットで違法に落とすってことは、正規購入に至るまでに関わる全ての業者の仕事を奪うってことだと思うんだ。
— 湖西晶@お仕事募集中です (@akikonishi) 2014, 12月 14
一方で、デジタルで原稿仕上げるようになって宅配便で原稿を送る必要がなくなり、私だけでも年10万円近くの宅配便売り上げを減らしてもいます。違法なことはしてないので申し訳ないとは思わないけど、「手間を減らす」というのは文字通り人の手から仕事を減らすことなんだなって。
— 湖西晶@お仕事募集中です (@akikonishi) 2014, 12月 14
@akikonishi かわりに通信インフラやファイル転送サービスを作るSEさんに(広告会社や有料ユーザーから)仕事が出来てお金が入ってるしゼロサムでええのではないでしょうか?
— ざらぶのZは残念のZ (@zarabu01) 2014, 12月 14
@zarabu01 もちろん私もそれは考えたけど、ゼロサムとは思えないんだよね...トータルで効率がいいからこそデジタルに移行してると思うんだ。
— 湖西晶@お仕事募集中です (@akikonishi) 2014, 12月 14
これ、実は非常に鋭い部分のお話。技術の開発や進歩、工夫が積み重ねられることで、必要なマンパワーは減ってくる。新たな行程が生まれてそれに携わる人が必要になるけれど、同じ創生物を得るために必要な総計のマンパワーは減る。だからこそ同じ頭数でもより多くの、幅広いモノを作り出すことが可能になる......のだけど。見方を変えると、同じ創作物を生み出すのなら、頭数は少なくて済んでしまう。残りの人は手持無沙汰、職を失ってしまう。
技術進歩に伴い生じる、必要な頭数の減少に対し、新しい分野の技術開発や、創作物そのものの量の生産量拡大(≒消費先の市場拡大)で、必要な頭数を維持するのが、これまでの手法ではあったんだけど。新分野の技術開発がスローダウンし、大量生産・大量消費的な方向性も頭打ち。でも技術はボンガボンガ進歩していく。となれば、労働者としての頭数は少なくて済むので、失業者が増えてくる。先進国共通の先進国病の一つ、若年層の高失業率は、これが主要因だったりする(高齢化に伴う「後がつかえている」のも大きな要素ではあるけれど)。
"「手間を減らす」というのは文字通り人の手から仕事を減らす"。覚えておきたい言い回しではある。
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