ネットの上での漫画の原稿料ってどれぐらいなのかな

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ネット事業者が手がけるマンガアプリも、増えてきた。中には編集部を立てて、マンガを「内製」している事業者も存在する。その場合、マンガ家に原稿料を払っていることになる。


それでは、マンガアプリ事業者の原稿料を見てみよう。比較的オープンに情報を出しているのは、comicoだ。「公式作品」に選ばれると、「20万円/月~(+インセンティブ)」とある。大卒の初任給が19万8000円らしいので、金額だけ見ればほぼ、同じくらいと言えるだろう。

描く分量は、紙のマンガとは一概に比較できない。comicoの場合は、カラーで描く必要があるため、白黒より手間がかかると言えるが、1コマが比較的大きいので、紙のマンガに換算すると描く分量は少ないかもしれない。マンガ家には毎週、決まった曜日に原稿を仕上げること、ガイドライン規定を遵守することなどが求められるようだ。


紙媒体の出版物は原則買取型で雑誌として読者に提供され、更に単行本も買取のスタイルで展開される。一方でデジタル媒体で文章や漫画を提供する場合、閲覧するのにお金を徴収する場合もあれば、無料にして集客素材として用いたり、広告を併載して広告費で売上を確保したり、ウェブ掲載時はお試し版的な形で割り切って無料掲載・まとまったら紙媒体に(時にはプラスαを盛り込んで)出版するなど、多様なビジネスモデルが展開されている。最後の仕組みは先日上場したアルファポリスが有名かな。書き手、送り手側も試行錯誤しながら、出版社・書き手・読者それぞれにベストな方策を求めている。デジタルがここまで浸透しても紙媒体のメリットは山ほどあるし、需要も以前ほどではないけれど一定量の市場があることには違いないわけだし。

で、多分に野暮な話にはなるのだけど、ここのところ急増しているウェブ漫画などのデジタル上の漫画って、原稿料はどれ位なのかなあ、という事案。漫画家先生に直接聞くのも失礼ではあるし、「中の人」でない以上、時々情報として露出される部分を拾上げていくしかない。その意味では今件は非常に役立つお話......ではあるが、「明確には分からない」とかいった類の言い回しが多く、確定情報は少なめ。ただ、黎明期にありがちな、提供スタイルや企業によって大きな違いがあることは確かなようだ。

原稿料に関して補足しておくと、大よそ同一業界内でも原稿料が知られることはあまり無い。それこそ同じ出版社、雑誌に記事を載せているライター間においてですら。多分に自身の原稿の質と連動するところがあるので。類似環境下の他人と比べて自分が高いと気まずいし、相手が高いと相手に気まずさを与えてしまうから。同一賃貸住宅の隣近所の家賃を知らないのと同じだよね、これ。だから時々、著名な漫画家先生が自分の原稿料を暴露したりすると、へぇ、なるほどと驚いてしまうのと共に、結構高いレートなんだろうなあという感もあったりする。

まぁ実力とネームバリューがあれば、自前でキンドル出版という手もあるし、実際にそれで成功している先生もいるほど。選択肢が増えている状況そのものは喜ぶべき話ではある。

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このページは、不破雷蔵が2014年12月18日 07:06に書いた記事です。

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