銀行の貸し渋りと引きはがしと企業の存続判断

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以前【大企業の配当金と人件費の関係をグラフ化してみる】でもちらりと書いたけど、日本人の現金主義なり企業の内部留保の話なり、銀行が貸し先が無くて国債の買い付けを多分に行う話を聞くたびに、このような話が連動して想起される。晴れた時には傘を押し付け、雨が降ると引きはがすってやつね。

俗にいう悪質サラ金の類は「ずっと金利を支払ってくれる顧客が最上客」という話もあるけれど、それよりもタチが悪いとの指摘もある。そのような行為が繰り返されれば、企業が銀行を敬遠するのも理解は出来る。

少なくとも「要らない時に『金を借りろ借りろ』と押し寄せ」「必要な時には門前払い」ってのは個人的にも経験をしているので、嘘ではないことは分かる。例えるなら、保険がいざという時に支払いをしてくれない事例が多くなれば、誰も保険には入らず、自分で貯蓄してしまう。そんな感じ。信用・信頼がビジネスの肝だという点を忘れてる感がある。

Dr.モロー氏の話もあるけど、この類の「晴天時に傘を押し付け、雨が降ると引きはがす」的話を聞くたびに、類似事案が多発してるから、企業側は借りにくいし、腰が引けるんじゃないかな。で、銀行側が「貸す相手が居ない」云々いうのも自業自得の部分もある。そりゃ、「んじゃ査定甘くしましょ」って事になると、そのさじ加減間違えると東京の某銀行(上で指摘した銀行)みたいに、その査定の甘さを悪用されるケースが増えてしまうのだろうけど。

公的基金も沢山制度はあるけれど、情報が込み入っているし条件が結構面倒くさい。付け焼刃的に次から次へと細切れで制度を創ったので、まさに青空市場みたいな感じで、どこに何があるのか分からない。かといって、その手の手続きの検証サービスはぼったくりが多く、何のために借りようとしているのか分からなくなる。その部分にこそ、公的機関が手助けしてくれればなあ、と思うのだけどな。


「銀行の判断で貸したくない企業は危ない会社」というのは多分に語弊...的なものがあって、どの程度のリスクでその判断をするかの基準が思いっきりバッサリとしている感がある。例えばがんが見つかったら全員死亡確実判定にしてしまう、治療でリスクが生じるから入院自体を断ってしまうような。あるいは検品で1つでも不良品があれば、倉庫一つ丸ごと火であぶってしまうような。対象によってはそれが正しい判断であることもあるんだろうけど、お金の貸し借りにおいてそれをやると、銀行自らの存在意義がなくなってしまう。

...だからこそ、存在意義の一つである「お金を貸与して企業の経営を助け、つまづいている状況を立ち直らせる」が失われつつあるんじゃないのかな。

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このページは、不破雷蔵が2014年12月19日 06:52に書いた記事です。

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