「通常は2割」とする仕事の極意とは

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世の中には「腹八分目」とか「デザートは別腹」という言葉がある......というと茶化しているようにも見えるけど、実はこれも「常に余裕を持たないと」という本髄の部分を食欲に置き換えただけの話。今件では仕事への力の入れ方について、通常運行は2割程度、忙しくなってもそも2倍の4割程度。それでもどうにもならなくてさらに稼働率・力量投入率を上げて5割から6割に達したら、周囲にヘルプを求めろとしている。それでもだめで7割以上になると、半ばパニック状態となるという話。

仮に自分の力量や上限、現在投入している注力度合いを完全に把握しているとして、だけど。

見方を変えると人は多分に「あそび」を有した上で動かないと、無理が生じてしまうというもの。これはよく理解できる。時間軸だけを考えても、物理的に時間が足りないように思えるからと、他の日常生活上の時間まで潰して一つの作業に投入してしまうと、何とかなりそうに思えて来るけれど、大抵はどこかで煮詰まってしまう。そりゃ時間をあまり余計にかけても書けなくても煮詰まるリスクはあるけれど、やはり時間を無理にぶち込んだ方が、行き詰る、あるいは冷静な判断が出来なくなる場合は多い。適度な休暇、息抜きは重要。

そしてもう一つ。あるいはこちらの方が重要かもしれない。「完全に把握しているとして」としたけれど、人は概して自分の上限を認識できない。今件では「7割以上行くとゆとりが消えて冷静さを失う」とあるけれど、自分自身が「ああ、もう7割ぐらいかな」と思ったその時点で、実はすでに9割をオーバーしていたってこともありうる。つまり自分が今投入している力量や、自分自身の上限を間違って把握している可能性もある。「通常は2割ね」としていたものも、実はその2倍の4割だったなんて可能性もある。

ある程度自分に過負荷をかけないと成長しないのは事実だから、常にイージーな状態でというのも問題がある。ただ、過負荷状態を続けていると潰れてしまうのは事実であるし、多くはその時点では気が付かず、過負荷が原因で折れたり脱線して初めて気が付くことになる(経験者は語る)。また心理面では大丈夫と思っていても、身体が追い付いていなかったり、その逆もある。

「通常は2割をキープ」としておけば、自分の力量把握に多分なブレがあったとしても、大よそオーバーフローを起こしてしまうことは無い。その意味での「2割」なのかもしれないな。

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このページは、不破雷蔵が2015年1月15日 05:46に書いた記事です。

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