「ドルベースのGDP」うんぬんの次は日経平均株価のドルベースでの話が

| コメント(0)


先日の日本における名目GDPをドルベース換算した上で、その推移を比較してドヤ顔で語るような話が鎮静化したと思ったら、今度は日経平均株価をドルベースで換算して「実は日本の株価はちっとも上がってないんだよ」「な、なんだってー!?」的な話がちらほらとツイッター上で回ってきた。一次ソース的なものとして雑誌の記事っぽい文章の画像とチャートが出ているので、どこかの雑誌の記事が話の元らしいのだけど、肝心な掲載誌が分からない。画像も記事本文とチャートのみで、掲載誌が何なのかが分からないようになっているし、ツイートにもその類はない。よくある紙媒体の権威を悪用した情報の流布ではある。

元々ドルベースで日経平均株価を置換した上でその推移を比較する意味が理解できない。仮に日米の株価推移を比較するのなら、そのまま比較する、あるいは一定期間の株価を基準値とした上で、どれだけ上下したかを比率計算する指標的な動向を確認するのが適している。東証の株をそのままドル圏ですべて売買しているわけじゃないんだから。この辺りのハテナは、先のGDPをドルベースでと同じ。それにこの話、半年ほど前に某所でジャーナリストを名乗る方が主張して、四方八方からツッコミ受けていたネタと似ているんだけどな。


まぁ実態としてはドル建ての日経平均株価の動向を見ても御覧の通り、それなりに上昇しているわけで。株価とて経済指標の一つに過ぎず、それに振り回されるのもどうかなあ、という感はあるのだけど。GDPと比べれば経済指標としての重要性は低いし、ねえ(先を読むという点では株価の方が価値はあるけど、他要因に影響を受けやすい)。

ともあれ、こういう形での頭痛を起こすような数字の悪用は、あまり好きじゃない。権威を悪用する意図的な誤情報の流布も然り。

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2015年1月 8日 06:26に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「マクドナルドの異物混入問題報道、ちょっと見方を変えてみる」です。

次の記事は「「正しいことをしているのだから」何をやっても良いわけではない・プロモーションの悪しき具体例」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30