先の総選挙の際の「(名目)GDPをドル換算すればここ数年は衰退してるんデス、我々の治世期間は超成長したんデェェェス。これ、小学生でも分かる理屈な、これ」的な、呪詛的お話がまた盛り返されている感。日本の国内生産のほぼすべてを海外取引に使うならともかく......。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 1月 3
昨年末の総選挙の際に某党の政策アピール的な動画の中で、その党のトップがドヤ顔しながら「(名目)GDPをドル換算すればここ数年は衰退してるんデス、我々の治世期間は超成長したんデェェェス。これ、小学生でも分かる理屈な、これ」といったことを冒頭で語り、恐らくこれは日本の政治史上、経済史の上でも後々まで語られる珍事になるのだろう、むしろしなきゃいけないレベルの内容だよなあ、と思っていたのだけれど。それがまた蒸し返される形でちらほらとあちこちで、断片的に語られ始めているのが目に留まったもので、覚え書き的に。実は先日の本家記事での【日本は1990年代からデフレへ...日米中のGDP推移を詳しく見ていく(2015年)(最新)】や、その後のこちらでの記事【名目GDPと実質GDPの動きから見る日本経済の動向...日米中のGDP推移を詳しく見ていく・補足編】の展開のきっかけも、これが一因だったりする。
ドルベース云々以前に実質GDP見れば、ハイそれまでよ~的なお話なのに。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 1月 3
「円高だからドルベースGDPが成長した。成長戦略だ」『国内生産をドル換算してどうするの。国内の生産物ドル圏に売るのがメインじゃないんだし』「メインにすればいい!小学生でも分かる理屈!!」『円高だと輸出が不利になるので減るんですけど』「()」
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 1月 3
(一方で円高容認誘導の理由として「円高になれば輸入品が安くなるから国内需要が喚起され景気が良くなる」という思惑があったって記録も残ってるんですね......結局やってることは無茶苦茶だったし、今もその筋が続いてるってことなのですよね)
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 1月 3
で。(ドル安)円高になれば当然ドルベースでの名目GDPは上昇する。でもその値は、ドルベースで国内生産物を海外、ドル圏に売らないと意味がない。「これだけの価格がついた商品持ってるよ」「でも売れなきゃ意味がないよね」的な。自慢は出来るけど、それでオシマイ。でも円高になると、その分輸出が不利になる。当たり前だよね。相手は高値で買わなきゃならなくなるんだから。
まあいずれにせよ、過度の円高も円安も、どこかでひずみが生じてくる。米中の動向を見ても分かるように、緩やかなインフレが中期的には、より多くの日本国内の人をハッピーにさせる感はある。円高だと海外からはモノを買いやすくなるけど、その分生産拠点は海外に出てしまいがち。円安だと海外からはモノを買いにくくなるけど、その分生産拠点は国内に戻ってきがち。で、生産拠点では生産物の生成以外に、各種物資の消費・雇用の生成(=雇用された人たちの経済活動の創生)をもたらすとなれば、どちらが良いのかは、まあお分かりの通りではある。
石油産出国のように、黙っていても価値のあるものが創生されるような場所なら、また話は別になってくるんだけどね。ここは日本だから。
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