①折角なので記事補足。日米中のGDP推移を詳しく見ていく http://t.co/0JIvKMRAVW の日本の名目・実質GDPのグラフ。名目は数字そのもの、実質はインフレ考慮した価値の本質。 pic.twitter.com/4Hjp2rGZ6W
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 1月 2
元々は【主要国のGDPをグラフ化してみる】で用いたIMFのデータベースが以前と比べて随分と改善されてデータの取得がしやすくなり、これなら以前の記事も詳細化できるのではないかってことで手掛けた【日本は1990年代からデフレへ...日米中のGDP推移を詳しく見ていく】が、思った以上にこれまでの頭の中にあったもやもや的なもの、あるいは数字的裏付けが欲しかったものがスポンとはまる形で出来上がっていき、久々に記事を掲載した後のやり遂げた感というか賢者モードに突入した件。補足すべき事項をいくつか箇条書きにしたら、あれ、これちょいとまとめられるのでは......ということで、先日覚え書きも兼ねてツイートしたものの総括。
②国同士の比較は名目が多いけど、国内推移は実質の方が本質的。まぁ数字にこだわる心理面もあるので一概には言えないけど。で、名目GDPだと前世紀末で成長が止まっているように見えるけど、実質だと1990年台以降は成長停止でなくて低成長に移行しただけってのが分かる。
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③(実質GDPと名目GDPの違いは 日本の経済成長率をグラフ化してみる......(上)用語解説 http://t.co/XMe8EB2K1g 参考の事) pic.twitter.com/TZTaCCikmv
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④で、これはそのうち今世紀分のみを抽出して、経済に大きな影響を与えた3事象を注釈で追加したもの。金融危機の勃発とリーマンショック、そして大震災。GDPに与えた影響はリーマンショックが一番大きかったってのが分かる。 pic.twitter.com/n6FrGSGsEh
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⑤それと共に、リーマンショック後の動向で、震災でもまた凹んだけれど、その後は順調に戻していること(予想値含む)も分かる。実質では特に、ね。ちょっと前に「過去数年間で大きくGDPはアップ、でも最近はダメダメ。小学生でも分かる理屈」ってのは、結局のところ名目GDPで
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⑥しかもドルベースに置換したのが原因であって、実質GDPは震災以降は確実に回復している次第。名目だと2013年時点でまだリーマン直後の上げた状態にまで戻して無いけれど、実質ではすでに大きく超えているんだよね。
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⑦もう一つ。GDPデフレーター(「名目GDP÷実質GDP」で算出されるもので、数字が「1」を超えた場合は状況として「物価上昇=インフレ」)の現在値と前年比との意味の違い。これは例えるなら現在値はお風呂の温度、前年比はお湯を足すか水を足すか。
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⑧GDPデフレーターが1を超えていたらインフレ。高い程インフレ度も高い。お風呂の温度が熱々。で、前年比はそのお風呂にお湯を足しているか(プラス)、水を足しているか(マイナス)の違い。現状がプラスでも前年比でマイナスになれば、熱いお湯に水を足しているので、
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⑨今後冷たくなってくる、つまりデフレに向かうということ。今の日本はお風呂が水みたいなもの(デフレ)で、これまでさらに水を足していたのを、金融緩和でお湯を足すのに切り替えたというところ。 pic.twitter.com/njzhvbZiv0
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⑩ただ、ムッチャお風呂が冷えているので、何年もかけないと良い湯加減にはならないよ、というのが現状。もっとも今がデフレでも、将来インフレに転じるような動きが続けば、先読みが成されるので、
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(11)色々と動いてくる(今は冷たい風呂でもお湯を足していれば直に温かくなるから入ったままにしようか、みたいなもの)
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(12)オマケ。中国のGDPが他国と比べて急上昇してるのは、多分にインフレ策による。実質・名目のかい離が大きくなってる。まぁ実質も上昇してるので、経済成長をしているのには違いないけれど。米とも比べて急速過ぎるのがちょいと不安かな。 pic.twitter.com/xVG6QiE4Br
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日本のデフレ基調へのタイミングや昨今の財政施策の方向性の意味、中国の急速な成長ぶりの実情とかが、一面ではあるけれど、良く見えてくるんだよね。デフレ脱却が果たせれば、景気回復には大きなプラス要因になるし、景気回復が成れば社会の諸問題の多くは解決する、あるいは良い方向性を見いだせることになる。......まぁだからこそ、それを望まない人もいるのだろうけど。
加えるなら、サブプライムローン問題に始まる、アメリカをトリガーとした昨今の金融危機。あのタイミングってちょうどアメリカにおいて、実質・名目GDPが交差して立ち位置が逆転する期間でもあった。......ってここまで読んで陰謀論を見出す人もいるだろうけれど、決してそういうものでは無く。たまたま偶然かもしれないし、その機会をうまく利用したのかもしれないし、状況がデフレからインフレに移行する経済状態だったからこそ問題が発生したのかもしれない。あるいはまったく関係ないかもしれないけど(笑)。ともあれ興味深い話ではある。
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