どこから頼まれたわけでもないのに、「マンガのマンガ」を描き始めたのは講師になってから3年目でした。
講師を始めた頃はマンガに文法があるなんて思ってもいませんでしたから、自分の経験上の「ナントナク」こう描いたら いいんじゃない?方式の指導だったのです。
— かとうひろし (@mangakato) 2015, 1月 5
描き方をアドバイスしているのに、また同じような間違いをするのはなぜだろう?
そう思っていましたが、 アドバイスする際に「こう描いてみたら?」だけで、「なぜそれではダメなのか!」が上手く伝えられていないことに気付きました。
— かとうひろし (@mangakato) 2015, 1月 5
「なぜダメなのか」には共通する原因があり、クリアすればマンガとして分かりやすくなる。
そこで初めてマンガにも「文法」のようなものが存在すると分かった次第です。
— かとうひろし (@mangakato) 2015, 1月 5
今件はあくまでもマンガの描き方に関するアドバイスではあるのだけど、それに限らず新人教育をはじめとした「他人に物事を教え伝える」、特に「間違っていることを教え諭す」「仕組みそのものを覚えさせる」時に重要な要件が含まれている感はある。
一つ一つの事案に対する解消法を逐次教えていっても、その場その場では対応できるかもしれないけれど、それはあくまでもその時点での問題解消にしかならない。そこから失敗の理由、成功の方程式的なモノを見いだせればいいし、本人にとってはかけがえのないものとして刻まれるのだろうけど、それを期待するのは少々酷(普通に物事をこなしていても、仕組みに気が付くなんて稀な話だからね)。
ならばその仕組み、今件では文法と表現しているけれど、それまで含めて解説し、その具体例として目の前の事案に関する解消法をさとせば、理解もし易くなるし、似たような場面に再び遭遇しても、その文法を使いこなしていくことで対処が可能となる。
背景がなくキャラクターだけのマンガに対して。
「これではキャラクターはどこにいるのか分からない」とアドバイスしても、 どうすればいいのか分からない人がいます。
「背景を描かないとキャラクターがどこにいるのか分からない」とアドバイスすると、その部分に関しては直すことができます。
— かとうひろし (@mangakato) 2015, 1月 5
「シーンの始まりには背景を描き、そこに人物を配置するコマを用意すると分かりやすくなる」のように「文法」として付け加えると、それ以降は間違いも少なくなっていくだろうと思います。
— かとうひろし (@mangakato) 2015, 1月 5
数学や経済学のように、がっつりと決まったスタイルの方程式ではないけれど、世の中の理として大よそあらゆるものには鉄板となる仕組み、仕掛け、テンプレートみたいなものがある。それを把握出来れば容易に類似事項もこなせるし、そこを経た上での応用もリソースの消費を少なくすることができる。
すぐにでも色々と応用できる......というものではないけれど、覚えておいて損はない話には違いない。
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