若者の自動車離れ、興味関心とお金の問題

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先日の本家サイトの記事【新成人の7割が「経済的余裕が無くて車を所有できない」とする現状】など新成人のカーライフに関する記事を展開する中で、その内容に対するリプライなども合わせて、色々と語られているのを見聞きして、なるほど感を覚えるものや、考え方を補完する話がいくつか見受けられたので、ちょいと絡めて記事本編を肉付けする形として。

初期投資なりランニングコストなりの対価が必要なものは、それなりの価値があるからこそ、見出しているからこそお金を支払うわけで。その見出せる価値が無ければ支払い得る対価レートは下がる。そのレートが下がれば下がるほど、実売価格との差が出て、「それじゃ要らない」となる。指摘の通り、乗用車が欲しいのにダンプカーをもらっても嬉しくない。


要は多様化で相対的に「車」の面白感が減って、道具以上の価値を見出しにくくなった。しかもコストそのものは増加している。そして見いだせる価値は減退するとなれば、かい離は大きくなり、結果として「離れていく」ことになる。自動車サイドは多分に、「買え買え」が優先していて、若年層を向いていないのでは、という意見。これは一理ある。

で、もう一理というのがお金そのものの件。


年功序列制の崩壊と、若年層の賃金が安いままという現状で生じる問題、連動性には、今件指摘で初めて気が付いた。なるほど、年功序列制は「継続勤務していれば待遇が上がり手取りも増える」のが保障されていて、だからこそ若年層は安い賃金でも我慢は出来たしローンも組めたし先のことを考えて頑張れた。それが半ば崩壊したのでローンを組むのは怖いし、先の事を考えても頑張りにくい。さらに「将来増えるから」という確約的なルールも無いのに、賃金は安いままでは......そりゃ、お金の若年層離れになるわけだ。

自動車に移動機関以外の魅力を感じていても、手持ちが寂しければ、そして将来昇給の見込みが薄いのなら、そりゃローンを組んでまで自動車を買おうとは思わないし、必然性の高い人でも軽自動車に手を付けたくはなる。要はお金の若年層離れをどうにかすれば、大よその問題は解決するわけだ。年功序列制には色々と問題も指摘されているけれど、こんなメリットもあったとはねえ。


これはやや余談。お金の若者離れとか、少子化などを解決できそうな試案としてふと思いついたのだけど、どうやら第二次大戦中のドイツで似たような政策があったらしい。あるいはそれを見た記憶が断片的に残っていたのかも。

さらにちょいと試算したら、年間で70万件ぐらい婚姻事例があるので、その世帯に5000万円(1000万や2000万程度では効果は薄い)の貸与となると、一年間で必要な予算は35兆円にも膨れ上がる。返済金は逐次計上されるけど、軌道に乗るまでに必要な予算は莫大なものになるので、実質的には「どこからお金持ってくるの?」ということになる。離婚した場合はどうするのかとか、非嫡出子は、国籍はとか、色々と問題も。まぁ、一つのフラッシュアイディアみたいなものだけど。......何か頓智的なもので解決できる方法があれば、悪い話では無い気もするのだけど。

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このページは、不破雷蔵が2015年1月10日 07:55に書いた記事です。

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