「電柱が消えたら景色がいいで大賞」の一考察

| コメント(0)


送電線を上空に配して埋蔵網を構成する電信柱(電柱)は、災害時のリスクや土地の有効活用、そして景観の上で常にツッコミの対象となっている。メリットもデメリットも双方あるんだけど、メリットが浸透化するに伴いデメリットが目立つという、典型的なインフラの事案の一つ。で、景観の上で「電信柱ってよくないよねー」的な啓蒙をするために「電柱が消えたら景色がいいで大賞」なるものが開催され、赤富士と共に描かれた電信柱のイラストが象徴的なものとして展開されたわけだけど......逆に「電信柱、カコイイ!」的な印象の方が大きかったというオチがついた事案。


一応撮影者のコメントも配されてはいるのだけど、写真が持つメッセージ性、写真を観た人が得る感覚・感想ってのは人それぞれで、指摘の通り多分に「なんだ、電信柱があった方が逆に良い写真になってるじゃんか」的な感想を抱く人も多い状況になっている。「電信柱、良くない」の啓蒙のためのコンテストの作品が、実態として「電信柱、実はイイじゃん?」的結果を生み出してしまっているのは、何とも人の業の深さよ。そうなんだよね、アクセント的というか、情緒的なプラスαが盛り込まれるんだよね。

まぁ恐らく、主催者側も多分に気が付いていないとは思うのだけど。コンテストの主旨としては......効果はあまりなかったような気がする。

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2015年1月16日 07:34に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「重量100キロ超のクマーな木彫りの造形も官公庁オークションで売っている」です。

次の記事は「授業でホワイトボードでは無く黒板とチョークが使われる理由を考える」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30