「軍事費の推移」というグラフで思うもの

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先日からネット上に出回っていた、「軍事費の推移」というタイトルの棒グラフ。兆円単位なので恐らくは日本、で、防衛費では無くて軍事費とわざわざ書かれているってことは多分に特定の意図が働いた上でのものだろうな......と思っていたら、やはりその通りで1月15日付の「しんぶん赤旗」に掲載されていたもの。ウェブ上には類似主旨のグラフが別途掲載されていたけれど、意図するところはほぼ同じ。

「バカグラフ」というのは多分に表現の上でアレではあるのだけど、確かに言いたいことは分かる。「2015年度が突出している、これは大問題だだだ」というのを見た目であっぴーるしたかったのだろう。で、例えばそうなった理由として近隣諸国の動向とかは? とツッコミを入れればあっという間にその意図も木端微塵になるというのに。


ぶっちゃけるとグラフを生成するデータ次第で、こんな感じに縦軸のスタート部分がゼロにならない形で「エクセル側が自動生成してしまう」ことは多分にある。要素の変化が少ないと、変化が分かりやすいように気を利かせてくれるわけだ。まだ、見た目があまりにも変わりないと、そのちょいとした変化部分を解説したいのに、グラフにした意味が無くなるとかね(特定値を定めて、それに対する変化率でもいいんだけど、そうなると変化にのみ目がいってしまい、実数値の把握がしにくくなる)。

とはいえ、変な印象をビジュアル的に与えるのも確か。当方は以前指摘されて以来、このような「縦軸がゼロでない」グラフを生成する時には、その縦軸の最下層部分に赤などで丸を使って囲い、下限はゼロじゃないよということを強調している。

今件グラフは記事本文部分で防衛費が増えたフンダラダー的なことを語るため、これだけ増えたんだよって部分を強調するため、縦軸をあえて......ととらえられてしまっても仕方がない。実際、多分にその意図があったんだろう。だからこそ「どうせならこれぐらいまで徹底してやってくれなきゃ」というネタも出来る。

これっていわば「間違いじゃないけれど錯誤を容易にもたらす、印象を誘導する手法」として受け取られても仕方がない話。気を付けなきゃいけないな。色々な意味で。

ちなみに......


なんていう話もある。ドルベース換算はまるきりネタでしかないけれど、予算そのものは多分に為替や物価の影響を受けるし(F35やらオスプレイの話も然り)、上記で触れているように状況の変化もあるのだから増額云々って逆切れされても、筋違いの感はあるのだけれどね。

むしろしんぶん赤旗様におかれましては、増額の大きな要因となった中国の「軍事費」についてツッコミを入れる方が先の気がするのですが、いかがでしょうか。現場からは以上です。

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このページは、不破雷蔵が2015年1月20日 07:34に書いた記事です。

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