「絵描きの人はどんな絵でも思うがままの絵を数十分で仕上げられる」と思う人がいる

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直前のコミュニケーションにおけるメディアの時間差で生じるギャップ、互いの認識の違いとも少しだけ絡んでいそうな話。絵を描いて生業をしている人からはよく見聞きする、業界とは別のルートで見知り合いの人から「ちゃっちゃっと描いちゃってよ」の類な事案というところ。

当方は絵がまったく描けないタチなので、この類の依頼はないのだけれど、似たような感じで文章に関して類似のアプローチを受けたことは経験があるので、理解も納得も十分に出来てしまう。該当ツイートのリプライには「若さゆえの云々」ってのもあるけれど、これは若年層に限らず創作物を創生することの難しさ、必要となる労力について、あまり知らない人なら誰もがやってしまいかねないミスでもある。


ざっくばらん過ぎるけど、非常に分かりやすい例えではある。確かにこれなんだよね。絵を描いている人が修行がてらにやっている「60分で絵を描きあげます云々」ってのも一因かもしれないけれど、絵にしても文章にしても、その他さまざまな創作物にしても、完成されたものはそれこそ数十分で仕上げられるものかもしれないけれど、そこに至るまでには何度となく失敗が繰り返され、やり直しが成され、考え込まれといった時間や労力が投入されている。

何も無いところからテーマに沿った内容の絵を描き連ねるのと、すでに完成された絵が数枚のパーツ化された状態で置いてあってそれをはめ込むだけとでは、訳が違う。文章ならば140文字の内容を、他所から写してタイピングするだけなら数分で済むけれど、自分の創作文としてならばそれこそ一日かかるかもしれない。

「30分で出来るはず」と思い込み、その思い通りに事が進まないと逆切れするってのは、その絵を描く行程をはじめとした物事のことわりの実態を知らないという意味で、不幸なんだろうな。ないがしろにされていると思うのは仕方ないのだろうけど。

これって、商品の原材料だけ見聞きして「この会社は暴利をむさぼっている」と逆切れするのと同じパターンの気がするのは当方だけかしら。

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このページは、不破雷蔵が2015年1月21日 07:12に書いた記事です。

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