あ、そうだ。友人から問い合わせがあったので、今から連載に関してとても大切なお知らせを致します。言いたくないけど事実だからお知らせします。
— 冬織透真 (@toma_winter) 2015, 1月 19
24日発売のCheese!3月号から始まる連載「鍵のない鳥籠」に関してのみのお知らせです。本作品は一応連載の形を取っておりますが、連載終了後コミックスとして発売になる確約は取れておりません。アンケート順位次第では、雑誌掲載のみの発表になります。
— 冬織透真 (@toma_winter) 2015, 1月 19
コミックス化に関しては作家の一存ではどうにもなりません。コミックス化を待って頂いて「読めませんでした」となってしまうのは、それこそ本当に申し訳が立ちませんので、確実に読みたいと仰って頂けるのであれば雑誌のご購入をお薦め致します。そう事前にお願いするしか私には出来ないのです。
— 冬織透真 (@toma_winter) 2015, 1月 19
もし普段は雑誌を買わない方が無理をして買って下さって、のちに運よくコミックスが出たなら、個人的には雑誌分の金額を私の自腹でお返ししたいぐらいです(そんなことが可能なのかは別として)。本当に申し訳ございませんm(__)m
— 冬織透真 (@toma_winter) 2015, 1月 19
多分にケースバイケースの部分もあるけれど、漫画家先生諸氏のビジネスモデル(......という表現はアレだけど)は作家側から見た場合、雑誌掲載時の原稿料では経費すら出せない場合が多い。その後雑誌掲載分がまとめられて単行本化され、その印税で損益分岐点を超していく、重版されれば益が出るし、アニメ化、関連商品化されれば少なくとも金銭面ではハッピーパラダイスというのが大よその仕組み。電子書籍・ウェブ漫画の浸透や、雑誌市場の低迷、出版業界の低迷などで、この辺りのパワーバランスも色々と変化が生じてきた。
四コマ漫画コミックでは以前から多分に、連載が終わっても単行本化されないという話は見聞きしていたのだけれど、通常のコミック雑誌でもその類の事案が増えている。以前はとりあえず連載分は単行本化するってのが常ではあったけど、雑誌社も余裕がなくなってきて、単行本化も果たさないことも多々出てきた。で、今件では連載開始前から、コミック化されるかどうかが分からないという話が公知されたという話。公知されないだけで、こんな感じの話は結構あるんじゃないかな。単行本化の確約無しで連載スタートって様式。
読者の立場では非常にこれは悩ましい状況。雑誌はかさばるので単行本待ちという人も多い。で、その単行本が「単行本待ちだから雑誌はホールド」ってことで雑誌を買わず、アンケートにもその「読みたい」が反映されないと、単行本そのものが出ないってことになる。見方を変えると、単行本で読みたい人は、雑誌を買ってアンケートを書いて出すことが保険になる。何だか正しいような、どこか歪んでいるような。
だからこそ、最後の部分にある、「雑誌分の金額を私の自腹でお返ししたいぐらい」ってのも良くわかる。単行本派にとっては「雑誌と単行本でだぶってしまった」的なことになるのだから。
でも本当に、これでコミックス出たら本当に雑誌代お返ししたいですよ。それが出来なくても何らかのアクションはしたいです。事実なのでハッキリ言いましたけど、本当は言いたくありませんでした。「雑誌掲載しかチャンスが無い」そのつもりで完全原稿を上げるのがデビュー以来の私のささやかな意地です
— 冬織透真 (@toma_winter) 2015, 1月 19
「言いたくなかった」けど「言わなきゃいけない」ので、雑誌発売日までたまに同じこと言います。ご了承くださいm(__)m
— 冬織透真 (@toma_winter) 2015, 1月 19
さっきのツイート著名な作家さんにRTしていただけて恐縮です...;; これ、私だけ、この連載だけ、この雑誌だけの話じゃないんです。どこの雑誌でも一緒です。私に限らず「この作家さん推されてないけど、俺は応援してるぞ!」という作家さんは是非雑誌アンケ・コミックス購入で応援してあげて下さい
— 冬織透真 (@toma_winter) 2015, 1月 19
そもそも雑誌アンケとコミックスの売り上げが比例してない状況で何なんだよこのシステム、という話をしても良いのですが、わたくしめの読者さんは夢見る少女たちなので(笑)流石にこれ以上は控えさせていただきます。
— 冬織透真 (@toma_winter) 2015, 1月 19
昨日さらっと言ったけど「コミックス出たら雑誌代お返ししますキャンペーン」とか企画としてやってみてもいいんじゃないかな(笑)作家さんの自腹かそうじゃないかは判らないけど、それこそ人気作家さんには出来ない企画だもの。私くらい出るか出ないかギリギリな作家さんのための企画として。
— 冬織透真 (@toma_winter) 2015, 1月 20
残念なのは、この企画を「面白そう」と思って参加してくれる読者さんは多分青年誌の読者さんくらいだろうな...という点か...私が描いてる雑誌の読者さんには多分通用しないな...
— 冬織透真 (@toma_winter) 2015, 1月 20
でも本当に雑誌代返金とまでいかなくても(コンプライアンス的にどうなのかとか全く調べずにくっちゃべっているので)、キャラ絵付きサイン色紙くらいなら対応しますよ私。雑誌とコミックス両方のレシートと交換とか。出来るかなあ?個人的にやるならいいのかなあ?
— 冬織透真 (@toma_winter) 2015, 1月 20
まあ言うだけ言ってみてるだけなので...何せ、コミックス出るって決まってないので。お伝えしたいのは、再度申し上げますが「私の連載は連載ですが、コミックスにならない可能性があります雑誌で読んで頂いた方が確実ですごめんなさい」ということです。
— 冬織透真 (@toma_winter) 2015, 1月 20
意気込みはすごくよくわかるし、その内情も理解できるのだけれど、現実的に返金部分は無理だと思う。返本制度の問題もあるし、ビジネスそのものが成り立たなくなる。むしろ雑誌掲載時点での購入者にはプラスとなる、あるいは雑誌と単行本の双方を持つと特典が生じるような仕組み、アイディアが必要かもしれない。いやそもそも、雑誌を買わないと単行本が出ないってこと自体、どこか根本的な問題があるようにも思えるのだけど(だからこそのウェブ漫画的なプラットフォームが登場してるのかなあ、という感もあるけど)。
現在の掲載スタイルでも、毎号の掲載分の直後にファンページやオマケ的な項目があり、それは単行本には収録されないってパターンがある。また、同人誌では即売会・頒布会や、特定の本屋で予約購入すると、特別なブックカバーや小冊子、ペーパーの類が付くこともある。この辺りの発想をもとに、あとは関係者が頭をひねって、新しい仕組みを作る必要があるんじゃないかなあ、と。
雑誌掲載時に応募券をつけておいて、単行本添付の応募券と合わせて送ると、抽選で何か特典が得られるとか。雑誌社レベルでは結構あるけれど、作品単位で行うのもありかもしれない。雑誌掲載時と単行本発売時で結構間が開いてしまうので、その辺りが問題になるのだろうけど。
あるいは逆に、紙媒体としての単行本が出ないのは、多分に刷ったけれど売れ残ってしまった的なリスクが問題なのだから、「紙媒体の単行本が出せない判定が出ちゃったけど、電子書籍版は出ますよ」的なラインを新たに設けてもいいのかもしれないな。
うん、まぁ、このあたりは色々と考える余地はありそうだ。
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