東芝の一部のテレビで「T-ポイント登録してね」が表示されるという話

| コメント(0)


システムそのものはちょいと前から実働してはいたのだけれど、先日一部の話をきっかけに、大きな問題視されているのがこの話。東芝の液晶テレビでTポイントがたまるサービスに絡んで、その広告が表示され、実際に登録しないと何度となくプッシュ状態で表示が行われるというもの。以前アナログからデジタルに切り替える際に出てきた「切り替えないともうすぐ観れなくなるから切り替えてちょ」的な、あるいはBSなどで登録しないと「この画像を表示しないようにするには云々」というウィンドウが出るのと同じ感じ。


東芝ライフスタイルのビジュアルソリューション事業本部 VSクラウド&サービス推進室 室長の片岡秀夫氏によれば、今回のサービスはもともとVODサービスの「TSUTAYA TV」の利用頻度を上げるため、TimeOnとのID共通化の話からはじまったとのこと。


このID共通化の話は現在のところ実現していないが、「テレビまるごとでポイントが貯められるようになれば......」という発想から、カルチュア・コンビニエンス・クラブと協議し、今回のサービスが実現した。

TimeOn自体が、一般のユーザーが使うにはまだ敷居が高めということで、同氏は「奥様とか普通の人とか、もっとカジュアルな人に使ってほしい。そういったところをなんとかするためにサービスという切り口でテレビの使用頻度を上げたい」と語り、TimeOnサービスの拡充に意欲を示した。



作り手側の思惑として、もっと賢く儲けたい、収益率を高めたいという気持ちは分かるのだけど、そして思惑通りに考えを持つ人にとっては便利なの「かも」しれないけれど、それは多分に提供側の一方的な都合の先行によるもので、使い手側の気持ちをはるか宇宙の彼方まで吹き飛ばした上での結論でしかない。


この辺の心境って結局、非常にユーザー"アン"フレンドリーなウェブ広告(ポップアップやら自動再生動画やらマウスオンで奇妙な動きをするものやら)とか、悪質系まとめサイトやら、フェイスブックやツイッター、さらにはグーグルなども含めたウェブサービスでありがちな流れ。要は「俺様にとって都合が良いので良いことにする(使い手の事情は無かったことに)」「俺様が良いと思ったので使い手もみんな良いと思うに違いない」的な、独断による強引な発想が前提として存在し、そこには使い手側の視点が無いって点で非常に似通ってるんだよね。上記の東芝のインタビュー記事を読んでも、そのような流れで話が進んでいるのが良くわかる。

短期的には数字に表れる形でメリットが生じるだろうけど、数量化されにくい、中長期的な観点で見たら、東芝は大いに機会損失をしている感じがするんだけどね。

色々と操作が出来るようになっても、基本的にテレビはテレビ。ポップアップが出て来たらウザいやん? 定期的に。しかも「いらない」って言ってるのに繰り返し。某ハンバーガーチェーン店で例えれば、注文する時に「御一緒にポテトはいかがですか?」ならまだしも、食べている最中に突然店員が横に来て視界をさえぎる形で「御一緒にポテトはいかがですか?」と言ってくるようなものだ。

......というか試験運用している段階で「これ、ウザくね? 反発されるんじゃね??」って思わなかったのかしらね。いや、思ったけれど「これぐらいならノープロノープロ。それよりメリット大きいっすよ」という結論に達したのだろうな。そしてそこには利用者目線は無い、と。

関連記事             

コメントする

            
Powered by Movable Type 4.27-ja
Garbagenews.com

この記事について

このページは、不破雷蔵が2015年1月 2日 07:15に書いた記事です。

ひとつ前の記事は「子供にとってうれしいお年玉の渡し方」です。

次の記事は「「平成COMPLEX」などの小だまたけし先生が自費出版で再起動するとの話」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

* * * * * * * * * * * * * *


2021年6月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30