NHKが中東事案の「国」表記を改めた件について。でもね......

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先日から繰り返しお伝えしている、中東事案のイスイス団ことダーイッシュ、ISILと呼ばれる集団の呼称に関するお話。海外はもちろん日本国内でも政府与野党官公庁ではすでに「国」との使い方を止めてISILなどに変更し、それと前後して関係方面からは「イスラム国」という表記を使うなとの強い嘆願や要請、さらには抗議が相次いでいるにも関わらず、強い影響力を持つ4マスは相変わらず使用を継続。その理由についても特に説明は無く、伝わってくるのは噂話やら関係者の逸話レベル。一体どうなってるのかしら。

という話が続く中。ようやくNHKではこんな感じで名称の変更を決定した。それ自身は十分に評価に値する。

だが。

説明を読み直してもなぜここまで変更に時間がかかったのか、頑なに「イスラム国」という表記を使い続けていたのか、その説明は無い。"NHKは過激派組織について、これまで組織が名乗っている「イスラミックステート」を日本語に訳して「イスラム国」とお伝えしてきましたが"とあるけれど、それならいかなる組織が自称する、いかなる問題点があり得る名称でも、それを使うのかな、ということになる。朝鮮民主主義人民共和国とか台湾の件とか、さらには特殊浴場と某国名との話も合わせ考えると、道理が通らない。今なお使い続けている大手メディアも同様。

一般企業が同じような姿勢を見せればフルスロットルで糾弾するであろうのに、なぜここまで腰が重いのか。疑問は一向に解消しないお話ではある。また一部指摘にある通り、イスラミックステートでももとより問題視されているイスラム教関連との誤解は解けないと思うことは容易に想定できるし、結局あまり実情を考えていないのだな、そこまでこだわるのは何だろうという感は否めない。そこまでして「イスラム」という言葉に特定のイメージを刻み込みたい理由は何なのだろう。ISILだのダーイッシュではダメな理由はどこにあるの? 台湾を中華民国と呼ばない理由と同じ?

一方、NHKが対応したことで、他の報道機関はどのような姿勢を見せるのか。今日以降の動きに注目したい所。変更したのならその旨をちゃんと理由付けで説明するか否かも含めて、ね。

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このページは、不破雷蔵が2015年2月14日 08:42に書いた記事です。

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