これは買わねば。
「「大量の蔵書をどう処分するか」という問題に直面した作家が、同じ問題をかかえた著名人をたずね、それぞれの具体的な対処法を紹介するノンフィクション」
⇒西牟田靖『本で床は抜けるのか』本の雑誌社http://t.co/RW1NF3DFjW
— 猫の泉 (@nekonoizumi) 2015, 1月 30
2012年、著者が仕事場として都内の木造アパートを借りるところから話ははじまります。狭いアパートの床にうず積み上げられた本、本、本。「こんなに部屋中本だらけだと、そのうち床が抜けてしまうのでは?」と不安におそわれた著者は、最良の解決策をもとめて取材を開始。蔵書をまとめて処分した人、蔵書を電子化した人、私設図書館を作った人、大きな書庫を作った人等々。
これらに加えて、「東日本大震災と本棚」「自炊(電子化)代行は違法なのか」など、近年話題となったトピックにもふれ、さまざまな角度から「モノとしての本」をめぐる問題にアプローチします。「蔵書と仕事」「蔵書と家族」という悩みは、世間の愛書家、読書家にとってもけっして人ごとではないはず。はたして著者は蔵書をどう処分するのか? アパートの床は抜けずにすんだのか?
先日【身に覚えのある人、手を上げて...積み系読書家の心得とはなんだろう】でちょいと紹介した、罪系愛読家、読書家の話の後日談的なもの。グッドタイミングというかなんというか、ちょうどこの時期に合わせ、書籍を収集する人たちの悩みである「本を積み重ねすぎると、床が抜けるんじゃね?」というリスクをトリガーにした、多種多様な事案にスポットライトを当てたノンフィクション。まぁやはり、本を所蔵して頭を抱えている人は多いようで、解説部分だけを読んでも当方自身も色々とうなづける部分はあるし、読んでみたい気にはさせられる。
結局貯めた本をどうするか、その判断はケースバイケースとなるのだけれど、他人の切り口を見聞きし、新たな発見をするかもしれないし、よりよい手法のヒントになるかもしれない。蔵書は多分にプライベートな部分でもあるので、食事やペットと比べれば公開される機会も少ない。そう考えると、貴重な一冊かもしれない。
あと、今冊子に関しては、タイトルが絶妙。どのようなことが書かれているのか、問題視されている点がありそれの解消法を模索しているのか、一発で分かるよね。
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