かくして「マクロ」を意味する隠語が「ながもん」になりましたとさ。どっとはらい。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 2月 10
東北地方に伝わる「どっとはらい」「とっぴんからりん」は、【ありがたい、貴重だ】という意味の「尊かれ」ということばが変化したものですし、福島に伝わる「いちがさかえもうした」は、【一生、栄華に暮らした】という意味の「一期が栄えた」ということばが変化したもの。主人公の「一期=一生」が素晴らしいものだったと語り納めたのですね。中国・四国地方に伝わる「昔まっこう」。「こう」は"かくのごとし"と使われる"斯く"で、「まっ」はその強調。つまり【昔話は以上のようなこと】という意味なのですよ。
話の内容そのものは別所で改めて解説するので、それは別にして。昔話っぽく最後の「おしまい」的な言い回しを書き記す時に「......えーと、どういう言い回しだっけ?」と記憶をたどることになり、それでもあやふやなところがあり、色々と覚えているワードをやりくりして検索したところ、「どっとはらい」でよかったんだ、というオチ。最初「どったらはい」だったっけ、とかも思ってしまった。
この最後につける決まり文句は「語り納め」というのだそうな。逆に「むかしむかし」というはじめの文章は「語り始め」。
そういや「とっぴんからりんの、ぷう」なんて言い回しも昔は聞いたことがあった気がする。一方で「昔まっこう」は今回初めて見聞きした。自分自身は東北で暮らした時期が結構あったので、それが影響しているのだろうし、関西方面に足を運んだ機会はほとんどないので、だからこそ「昔まっこう」は聞いたことがなかったのだろう。
元記事では「呪文のようだが、ちゃんと意味がある」という言い回しをしているけれど、実のところ呪文そのものも概して意味があるもので、「意味の無い言葉=呪文」ってわけじゃない。ただ本来の意味が忘れられているだけで、まさに今件の「どっとはらい」と同じ。いわば「語り始め」「語り納め」もまた、呪文みたいなもんだな。
元々言葉には何らかの意味合いが込められている。だからこそ力を持ち、その力は時間と距離を超えてその効力を発揮する。普段何気なく、深い意味を考えることなく使っている言い回しも、ふと足を留めて思い返し、意味を確認してみると、色々とその言葉に込められた想いを知ることができるんだろうな。
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