電子書籍、時間が経過しても劣化しないけれど、喪失する可能性

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電子書籍はデータで保存されるので劣化しない。だからいつまで経ってもずっと新品のままその姿を維持し続ける事が出来る......はずなのだけれど。データの形で残しておくとどこかに埋もれてしまう可能性は多分にある(多数のファイルを保存している人は理解できるはず)。検索すれば何とかたどり着けるだろうけど、記憶媒体がデータ的に吹き飛ぶリスクがあるのは、結局紙媒体と変わらない。

クラウド的にあちこちに分散すればいいけれど、マスターデータからは姿形を変えてしまい、元ネタや履歴、その詳しい背景などが分からなくなる可能性も高い。ネット上に出回っているネタ画像のうち、どれほどまで元ネタが判断できるものがあるだろうか。その上、データのフォーマットが変わってしまったら、読み込めなくなるリスクもある。例えばMOとかバブルカセットとかフロッピーディスクとか、今手元に持っていてもどれだけの人が読み込める?(媒体自身が劣化してデータが滅んでしまっているかもしれない)。

まして現在の電子書籍スタンドは、多分にデータを取得できるのではなく、データを読み込む権利がもらえるだけ。データ配信元が滅んだりしたら、その場でアウト。このリスクは以前複数の電子書籍スタンドが吹き飛んだことで理解している人も少なくない。

指摘の通り、少なくとも既存の紙媒体のような保全のされ方は成されず、また歴史上過去に類を見ないことから、将来「昔のこの漫画が読みたい」と思っても手に入らない可能性は多分にある。もちろん絶版マンガ図書館のようなアーカイブをする動きもあるけれど、これとて万能では無い。


で、先日【セブン-イレブンのマルチコピー機がプロマイド販売機的な使われ方をされはじめたようです】で挙げた、データを容易に紙に展開できる環境がコンビニで備わったということで、ぼそりとフラッシュアイディアをつぶやいてみたのだけれど、つぶやいたあとで「ああ、これはダメだ」と色々と問題点が頭に浮かびあがる。そしてその問題点は誰もが容易に想像できる話だったという次第。


大よそ指摘の通り。キンコーズにあるような結構厚手の本までってのは無理だろう。ただ、アマゾンキンドルで電子書籍が個人ベースでも展開できるようになったのと同じように、課金システム周りまで個人に提供できるような仕組みが用意されれば、少なくとも同人誌界隈は大きく変化しそうな気もする。

......見方を変えれば、キンドルのデータをパソコンのプリンター、あるいはコンビニの複合機で出力できるようになる仕組みってのも面白そうだな。紙版を購入すればデジタル版は無料閲覧できるってサービスは普及しつつある。ならばその逆だってあってもおかしくは無い。ただ印刷代は自前で出してね、という考え方だ。例えば業界向け新聞とかならそれが可能じゃないのかな。

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このページは、不破雷蔵が2015年2月11日 08:29に書いた記事です。

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