調査対象母集団数が少なすぎる&相関関係であり因果関係では無い点に注意......難関私立中学の合格者は朝小の読者多い http://t.co/MokeMesHnB @nikkansportscomさんから
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 2月 12
こちらがそのプレスリリース(PDF) http://t.co/ESPn8NEsec ......ざっと読みましたけど、精査の必要は無し。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 2月 12
本文中には一言もそのようなことは書かれていないし、一次ソースとなる調査結果でも言及はないのだけれど、多分にこのソースを使って「新聞を読むと頭がよくなる」的な話は出てくるのだろうなぁ、ということで自分自身への注意も合わせて覚え書き。
リリースを読めば分かるのだけど、調査対象母集団数があまりにも少なすぎて、データのぶれが生じるリスクが大きい。そして何より、新聞を読むことと頭がよくなる=有名私立中学の入学者が多くなるとの相関関係を説明したものではないのだよね。「新聞から出題される可能性がある」ってことで新聞を購読している人も多いだろうし、レスポンスで指摘されている通り、保護者が教育熱心で新聞を取っている可能性も高い。それに該当年齢の子供を持つ人は知っていると思うけど、学校教育で新聞を教材として使うよう指導がなされているので、元々この数年は小中学生における新聞の購読率は上がっている。
ちょっと昔に「朝食を食べると頭がよくなる」という話が挙がって、「それって相関関係であって因果関係やない」とフルスロットルツッコミを受けた事案があった。朝食を摂る、食べるような世帯ではスケジューリングもしっかりなされているだろうし、子供に対して親が面倒をしっかりみている、子供も子供で自己意識を持ち活動している可能性が高い。そのようなグループならば、成績が高めに出てもおかしくは無い。朝食を食べることで気が散るリスクが減るので集中力が底上げされるなど、成績にプラスとなる部分もあるだろうけど、朝食が成績アップの特効薬となるわけでは無い。
合格者からは「選挙記事などが分かりやすかった」「読む力、論理的に考える力がついた」などの声が云々とあるけれど、これもごく少数で、しかも直接関連付けが想定できる意見は後者のみ。前者は成績とは直接関係は無い。
調査そのものはしっかりとしたものかもしれないけれど、前提条件や、その結果を基に導いたお話や、今後この結果を色々と使う姿勢を考えると、ね......時折ポストに投げ込まれている新聞勧誘のチラシにも、この類の「新聞を読むと頭がよくなるよ」的なコピーは山ほど使われている。今件のようなデータが使われるんだろうな。
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