今度は○出版で支払い遅延が起きていてヤバイという話が回ってきた。ホント最近こんな話ばっかですね。
大よそ噂半分で見聞きしていたことや実地で確認出来ていること、色々な経験則も合わせ、結構的を射ているお話がざっくりとまとめられていて、今後思考整理をする際に役に立ちそうな気がするので覚え書きもかねて......と思ってお気に入りをしていたら、すでにトゥギャッターでまとめられていたのでそのリンクもぺたりと貼りつけて。
まぁ支払い遅延は世の常なんで特に珍しい話では無い。一つ支払いが遅延すると、余力が無い場合関連する他の企業もカツカツになる。一人遅刻するとその場に居合わせることになる他の人の時間も浪費させられてしまうのと同じ。余裕があればいいのだけれど、余裕が無いと他のスケジュールまで狂わされてしまうって感じ。
昔は投機や運用の失敗でコケるパターンが多かったが、昨今は「本が売れない→制作費を安くして質を落とす→さらに売れなくなる......」の繰り返しでジリ貧になって倒産のパターンが多い。ああ、出版不況(涙)。
— 前田尋之@『ホビーパソコン興亡史』発売中 (@hiropapa00) 2015, 2月 21
エロ本系は特に顕著で、「編集費30万で本を制作して、粗利が20~30万」といった本も珍しくないです。社員一人分の給料が出るかどうかという規模。
これで本が売れずに赤字になった場合にはその給料分すら捻出できないわけで、目も当てられません。
— 前田尋之@『ホビーパソコン興亡史』発売中 (@hiropapa00) 2015, 2月 21
@pipixvi この15年くらいで、編集費は半分から3分の1になっちゃいました。エロ系なんて桁一つ減ってますよw
— 前田尋之@『ホビーパソコン興亡史』発売中 (@hiropapa00) 2015, 2月 21
出版業界は元々カツカツなところが昔から多かったのだけれど、昨今はネットに市場を食われ、カツカツカツカツ状態。しかもR18系はメディア力の違いが大きく表れるジャンルなので、需要が食われまくりとなる。まぁ、仕方ない部分もあるけれど。多くはタダで手に入るからねえ。
中小出版社で最近重くのしかかっているのは跡継ぎ問題。今のオーナー系出版社はほとんど社長が爺様なので、10年、20年先の存続が危ぶまれるところも珍しくありません。若い経営者は出版業をやりたがらないので、時代に合わせた業態革新も進まないです。
— 前田尋之@『ホビーパソコン興亡史』発売中 (@hiropapa00) 2015, 2月 21
その結果、先ほど言った「制作費を落として売れなくなる」負のスパイラルしか執る手段がないんですね。新しいジャンルの本を作る、事業スキーム自体を見直すという思考に繋がりにくい。逆にそういった発想ができる人材は出版業に入ってこないのが悲しいところです。
— 前田尋之@『ホビーパソコン興亡史』発売中 (@hiropapa00) 2015, 2月 21
@reinon3 読者さんだけでなく様々な電子出版取次・販売サイトさんから電子化の要望を戴くんですが、いかんせん版元さんの腰が重くて......。
著者権限で電子は電子だけで直取引しなきゃならんのかなと思ってみたりします。
— 前田尋之@『ホビーパソコン興亡史』発売中 (@hiropapa00) 2015, 2月 21
@Imaha486 そうなんです。大きく時代が変わっている中で、今の出版社のほとんどは思考の転換ができない・する余裕がないのが現状なんです。
— 前田尋之@『ホビーパソコン興亡史』発売中 (@hiropapa00) 2015, 2月 21
@reinon3 GoogleもAmazonもまだトップが若いですからね。
実は以前呟いた「ヤバイ出版社」もその理由が「社長が脳梗塞」というものでした。オーナー社長の会社は代表に何かあった時点で簡単に傾いちゃいます。
— 前田尋之@『ホビーパソコン興亡史』発売中 (@hiropapa00) 2015, 2月 21
@reinon3 KADOKAWAとか小学館くらいにまでなっちゃえば別でしょうけど、自力で創業したオーナー社長は、なかなか跡継ぎ問題に無頓着なものです。自分もヒトのこと言えませんがw
— 前田尋之@『ホビーパソコン興亡史』発売中 (@hiropapa00) 2015, 2月 21
一応昨今の出版業界に関するお話ではあるけれど、気が付いている人も多いはず。実はこれ、ネットで影響を受けている多くの、とりわけコンテンツ系の業界に共通する話だったりもする。マスメディアが一番良い事例ではあるかな。
規模が大きい企業の場合は代替わり云々ってのはあまり心配いらないのだけれど、トップのカリスマで引っ張っているところが大きい中小だと跡継ぎ問題(汗)は深刻。まぁ経産省周りで「後継者問題に関する云々」って説明会やら各種支援策を打ち出していることから分かる通り、跡継ぎ問題は中小企業全体の問題ではあるのだけれど。
余力が無いので新しいことができず、マイナススパイラルが続き、新しい要素、伸びる可能性は皆他に逃げていってしまう。この辺も以前どこかで触れた気がする。
ついでに言うと、2020年のオリンピック前にエロ系出版物は一旦全滅する可能性が極めて高いです。少なくとも前後2年は出版物が一掃されるでしょうから、関連業種でメシ食っている方は今のうちに対策(エロ以外の食い扶持または2年分の貯蓄)をお勧めします。
— 前田尋之@『ホビーパソコン興亡史』発売中 (@hiropapa00) 2015, 2月 21
逆に言えば、オリンピック後に揺り戻しで一気に出版物が増えることも予想されるので、それを見据えて出版社やプロダクションを起業するというのもアリかもしれません。
— 前田尋之@『ホビーパソコン興亡史』発売中 (@hiropapa00) 2015, 2月 21
@gutihara 出版って取次が扱ってくれないと事業が成り立たないので、少なくとも2年は出版物がゼロの可能性は十分に考えられます。
......が、あくまで個人的予測なんで外れたらゴメンナサイ。
— 前田尋之@『ホビーパソコン興亡史』発売中 (@hiropapa00) 2015, 2月 21
@gutihara 今は(一部の専門店を除いて)エロ本って書店もそれほど売れ筋商品でもないから、一斉になくなる可能性も否定できないんですよ。
多分、エロ専門店は古書&DVDメインで2年凌ぐしかないんじゃないでしょうか。
— 前田尋之@『ホビーパソコン興亡史』発売中 (@hiropapa00) 2015, 2月 21
これも結構言われている話。オリンピックが色々な意味でのターニングポイントになるであろうというもの。ただ、この数年でメディアのパワーバランスが大きく変化しているところを見ると、今後5年間でどのような変化が生じるのか、今の延長的な発想で予想していると、大きな空振りをしてしまう可能性もある。指摘の通りあくまでも「予想」でしかない。けれども確率論としては決して低くない。何しろ現状ですら、R18系の紙媒体はかなり危うい状態(昔から同じようなことは言われていたけれど、昨今はメディアベースでの競合他方面からの圧力がかかってるからね。ネット強し)。
@reinon3 そうですねー。今は個人で電子出版は割とお勧めですw
ただ、電子出版は告知効果が弱いので、ただ出すだけでは売れないところが難点ですが。
— 前田尋之@『ホビーパソコン興亡史』発売中 (@hiropapa00) 2015, 2月 21
@reinon3 リアル書店と違って、電子書籍はサイト内で売られてても目に付かないんです。だから、ブログやニュースサイト、願わくば大手ウェブメディアでニュースとして取り上げられやすい仕掛けを打ちたいところですね。
言葉は悪いですが「炎上上等」みたいな感じでw
— 前田尋之@『ホビーパソコン興亡史』発売中 (@hiropapa00) 2015, 2月 21
@reinon3 まあ、炎上はやりすぎとしてw
電子に限らないですが、商売としてやるならば仕掛けは必要です。挿絵にイラストレーター起用とか、本なら帯コメントで名のある人にお願いするとか。セールスプロモーションって「知らないヒトに知ってもらう」ことが一番難しい(けど重要)んですよ。
— 前田尋之@『ホビーパソコン興亡史』発売中 (@hiropapa00) 2015, 2月 21
@reinon3 この辺は人によってスタンスが別れるところです。小さく作って小さく回収するか、しっかり宣伝して大きく儲けるか。
何もしないで突然ブレイクするというのは、可能性はゼロでないにせよかなり確率低いですw
— 前田尋之@『ホビーパソコン興亡史』発売中 (@hiropapa00) 2015, 2月 21
@reinon3 そうですね。いくつか新しい業態を模索しているところは出てきています。コンビニは近年、本の販売割合を減らしてきている(特にセブンイレブン)ので近々本をまったく扱わないコンビニが出てくるかもしれません。
— 前田尋之@『ホビーパソコン興亡史』発売中 (@hiropapa00) 2015, 2月 21
@reinon3 それなら、最近のコンビニでよく見かけるプリペイドカードという手がありますね! なんだか単なるDMMプリペイドになりそな気がしないでもないですがw
— 前田尋之@『ホビーパソコン興亡史』発売中 (@hiropapa00) 2015, 2月 21
この辺の話は何度となくコンビニと出版関連の記事で言及しているし、先日の【これも未来の姿の一つか...夢見る未来の本屋のかたち】で触れた「未来の本屋のかたち」にもつながる部分が多分にあるような気がする。要は、最終的には文章を提供すれば良いのだから、それがどのような媒体(メディア)を用いているかの違いでしかなく。媒体によって得手不得手、好き嫌いがあるから、それは読み手によって選んでもらうことになる。
少なくともコンテンツを作る側が十分に対価を得られるような、その対価を見て本人が「自分の成果がちゃんと評価されている」と実感してさらなる励みとなり、周囲の人も「ちゃんとしたものを創れば評価される、リターンがある」と認識してその業界に足を踏み入れる気になるような、そんな仕組みができるといいな。
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