団塊世代と年功序列制から成果主義へのシフトと、後続養成の怠りと

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先日の【帝国データバンク調査による人手不足の実態】における中堅層などの人「財」不足の話や、その前の「一票の世代間投票者数の格差」などをがちがちと書き連ねている際に、ちょっと頭の隅っこに引っかかることがあった。今後細部を精査する必要が多分にある事案なので、まずは覚え書きとして。

早期退職者や定年退職者の非正規雇用としての再起用は、労働力不足の補てんに加え、該当世代の「生き甲斐」や「生活費補助」的な観点として、需要と供給がマッチするとのことから、企業でも積極的に推し進めているし、国側でもサポートをしている。一方で詳しくはこの後別途触れるけれど、やはり多分に無理なところがあり、色々と問題点も多い。

そもそも何で技術や経験に長けた中堅層が足りないのだろう。この辺をたどっていくと、デフレ時期とも重なる部分があるので、多分そのあたりかな......というのと共に、もう一つタイミング的にマッチする要素が。

日本で年功序列制から成果主義にシフトをし始めたのが1990年代以降。それに伴い、従来若手を育成すべき立場にある当時の中堅層が、評価が得にくい育成よりも自分の成果に重点を置き、後続の養成をないがしろにし始める。この辺りの話は結構有名で、本家サイトの記事でもちらほらと何度か触れている。定年が間近に迫った50代などはあまり人材育成にかまける時間は無い。企業内の重鎮となることが多いから。今世紀に入ると成果主義の弊害がボロボロ出始め露呈し、再び年功序列制・安定的な仕組みが求められるようになり、雰囲気は多少変わってくるのだけれど。この時の「成果主義なので自分の成果をアピールするのが先、後輩の育成など二の次、三の次」とする姿勢が、現在の中堅層・技術的な支えをするはずの中核的存在が減っている要因となった可能性はある。水をやらずに自分で飲んでたら、種は芽を出さない。

で、この時の「自分の成果を第一義」「後続養成を怠った」にした層と、今の「後釜たる人材が不足している状況を一因として、非正規で再就職をしている層」が、思いっきりかぶる気がするのだよね。主に団塊世代。あるいは「自分らで後釜育てずにやりたい放題やって、後でそれが問題になってきたら、さらにサポートと称して美味しい所取り、雇用の座席を奪い続ける。マッチポンプかよ」と突っ込まれかねない。

タイミンクのずれがあるような気もするのだけど、奇妙な流れが出来てしまう。労働市場の変遷や価値観の変化と合わせ、詳しく検証する必要があるのかもしれない。

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このページは、不破雷蔵が2015年2月25日 06:35に書いた記事です。

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