ガセネタやら煽りネタやら虚報やら盗用やらを相次ぎしでかしている、まとめサイトの中でも悪質系とされる類のもの。これらは実質的に法人あるいはそれに準ずる団体によって運営されていることは周知の事実ではあるのだけれど。「速けりゃ何でもいい」というメリットがあるからこそ滅びないという指摘。そしてある程度は「何でもいい」の部分を読者も理解している「はずだ」という分析。複数の調査機関による情報収集に関する調査結果でも、大よそ近い結果が出ている。早いから、楽だから、楽しそうな感じだから。情報の正確性はどーでもいい。
需給の問題に的を絞れば、この指摘は間違っていない。ただし、悪質まとめサイトに関する重要な視点が抜けている。なぜ悪質まとめサイトが「悪質」たるのかについての考察がまったくない。
煽動やら盗用の情報は一次取得者が「ああ、またネタか」として取得してそこで満足してしまえば何の問題も無い。ゴシップ誌を買ってきて読んでネタ半分として理解し、ああ面白ったで済めばそれでよし。無論その内容に関して盗用やら虚報やらが明らかならば、被害を受けたところからツッコミがくる場合もあるけれど。
問題なのはその一次取得者が口コミなどで二次情報として広めてしまうこと。いわゆる拡散。その過程で一次ソースが薄められ、変形され、事実のように語られてしまう。紙媒体の掲載情報と比べ、その拡散性が極めて高く、ハードルが低い。それが問題。
例えるなら虚構新聞に書かれた内容を、さも事実であるかのように二次伝播されてしまうような事態が生じているってこと(誤解があると良くないので書き記しておくけれど、虚構新聞をディスっているわけではない)。ツイッターのような短文形式の情報ツールだと、そのリスクは極めて高い。さらに二次伝播する際に、悪質系まとめサイトの情報信頼性を知らず、事実だとして受け取ってしまう人もいるかもしれない。虚構新聞の例なら、その文面のみが呈された場合、あるいは虚構新聞の実態を知らない人が二次伝播で目にした場合、事実として受け取ってしまうかもしれない。
ネット上の情報には対象に向けて落とした一滴が、周囲に広く広まる可能性もある。クローズドな環境下での配信でない限り、「分かっている人だけに公知した」との説明は通用しにくい。LINEでの語りならともかく、ツイッター上の語りは公的文章と同じであるってのと、さほど理屈に違いは無い。
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