75歳以上の免許取得者は認知症検査強化、道交法改正案を閣議決定

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しかし、現在の制度では検査を受けるのは3年に1度にとどまり、この間に認知機能が低下してもタイムリーに把握できない。認知症が疑われる検査結果が出ても、違反をしない限り受診する必要はなく、運転を続けることが可能だ。


そこで改正案は、認知機能が低下した人に多く見られる特定の違反をした際も、更新時と同じ検査を臨時に実施。「認知症の恐れ」と判定されれば、違反の有無にかかわらず、全員に診断書の提出を義務付け、チェック体制を強化する。また、臨時の検査結果が前回より悪かった人には臨時の高齢者講習を行うことも盛り込んだ。認知症と診断されたり、検査や講習を受けなかったりすると、免許は取り消し・停止される。 


統計的に高齢者の老化に伴う交通事故の増大は既に裏付けが取れているし、最近では認知症的な症状による運転ミスが元となる事故も問題視されている。免許を取らずに運転するのは問題だけれど、老化などで免許を取得した時のような能力を有しなくなったのに、免許そのものは取得された状態のままなので運転が可能という、ちょっとおかしな状況ともいえる現状が引き起こしている悲劇でもある。

【死亡事故率2.5倍、89%は「対策強化必要」...高齢運転者の実情】などで解説の通り、警察庁が改めて統計やアンケートの結果を元にレポートを創り上げ、言われていることが間違いないとの裏付けを取った上で、今回の閣議決定、法案の呈示につながることとなった。

内容はリンク先記事の通りで、現行法の「穴」を埋めると共に、現行法を最大限活用してリスクを軽減していくのが主な目的。「認知症は75歳未満でも発生しうる」というツッコミはあるけれど、現状の制度を有効活用する、かつ大きなリスクを削るのにはこれが一番打倒。個人的にはチェックの対象を75歳以上ではなく60歳以上とすべきかなあ、あるいはさらに全免許更新者とするのもありかもしれないな、とは思うのだけど。ただそこまで行くと大規模な法改正が必要となるので、まずはできるところから、なのだというところかな。

一方で「危ないのは分かってるけど、自動車運転が出来なくなったら移動ができないじゃん」って環境にある人がいる問題もある。だからといってリスクが高い状態で運転するのを許可し、他人に被害を与えて良いわけでもないんだけどね。この辺についてどのような折り合いをつかせるかが、今後の課題なんだろうな。

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このページは、不破雷蔵が2015年3月11日 07:31に書いた記事です。

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