何十パターンも考えられる絡み合う複合的原因をほどき、最小限にシンプルかつ効果的かつ可逆性も併せ持つ「原因」をトラブルシュートした結果を伝えても。
なんだそんな事って一笑に付せられると、なんもしてあげたく失くなるので、
「なんだそんな事」って反応がクセな人はだいぶ損をしておるかもの
— ご注文はベルガモットですか? (@bergamotflavor) 2015, 2月 25
「なんだそんな事」ってところまでシンプルにするのが大変なワケで、天啓が降りてきてそこまで答えを教えてくれる訳でもないからのー。
— ご注文はベルガモットですか? (@bergamotflavor) 2015, 2月 25
本家サイトの【自分の目の前にあるものがすべてではないことを知る】に通じる、モノ創りの話。試行錯誤の繰り返しと、上手くいかないかもしれないというリスクとの戦いの末に得られた結果は、得てして小さなもの。はたからそれだけを見せられれば、確かに「なんだそんな事」と言われるかもしれない。ただ、コロンブスの卵は誰もがすぐにテーブルの上に叩きつけられるわけでは無い。その点を理解しないと創り手の労苦は報われなくなる。以前も触れたかもしれないけど、創作文章を単なる文字のトレース的タイピングと同等なものだと思っている人も少なからずいるからねえ。
クオリティを10段階引き上げれば、顧客はその圧倒的な差に気がついて売れる。
なんてもの幻想での。
普通を求める顧客に説明無しで良さを理解されるなど精々1段階か2段階程度の想像の延長にある所まで。
例えば普通に服買いにきて布地の柄合わせや縫製の緻密さとか、ドレだけ気にするか。
— ご注文はベルガモットですか? (@bergamotflavor) 2015, 2月 26
理解できない、理解されないものはどれだけよくとも、必要では無いと判断され売れんよ。
オーバークオリティじゃ。
顧客からすれば斜め上。
— ご注文はベルガモットですか? (@bergamotflavor) 2015, 2月 26
普通のものを求める顧客に圧倒的なクオリティを見せつけるより、顧客が欲しがっているもの、顧客が欲しいと気がついたものしか売れん。
説明書を良く良く読んでどうぞ自由にお使いくださいより、
こんな使い方もできますよ!イイでしょ!って云われなきゃ気がついてもらえんしの。
— ご注文はベルガモットですか? (@bergamotflavor) 2015, 2月 26
まあクオリティは段階を踏んで引き上げれば顧客はその良さを実感してくれよるからの。
送り手側が受け手たる顧客をなーんにもみちびいておらんのがよう見受けられよるわ。
理解されんから無駄と云われて、やらなきゃやらなきゃやらなきゃって関係者は思っておるうちにトンネルの天井も崩落しよるし
— ご注文はベルガモットですか? (@bergamotflavor) 2015, 2月 26
この所、あちこちでモノづくりの職人さんを持ち上げているが、そういう市井の職人技にしかるべきお金と敬意をこれまで払って来なかったのは何処のどなたでしょうか。だから、今日の後継者難になっているのでは。マーケッターも良い物を高く売る努力をして来なかったでしょ。
— leonardo (@masumind) 2015, 2月 26
一生懸命良いものを作っても毎年毎年買い叩かれる。ならばと料金交渉に行くと他に頼むぞと言われる。自分で付加価値を高め、直接売るようにしないと利益が大きくならないのだが、それがモノづくり一本の人には難しい。
— leonardo (@masumind) 2015, 2月 26
一方でこんな話もある。良いものと売れるものとは必ずしもイコールでは無い。技術博覧会的なイベントではステキな技術や素晴らしい機能を有する試作品がずらりと並ぶけれど、それらのうち実商品化してセールスを挙げる物はさほど多くない。需要が無ければ結局誰も買わないからね。完成品としては小さなもので、物凄い技術や経験を得て作られたもので、そのバックボーンを認識されても、結局完成品そのものの需要が無ければ、売れるという観点での評価はされない。例えば大変な労力とお金と技術を費やし、縄文時代の料理を味まで忠実に再現できたとしても、珍しがられるだけ。多くの人に受け入れられ、食卓に高頻度で並べられることはないだろう。ホンモノと同じサイズのミジンコの形をしたダイヤを創生しても、誰が買うのだろうか。
今後の技術進歩に欠かせない基礎技術、他の技術開発に不可欠な技術のための技術をはじめとした各種技術や製品の類と、世間一般に幅広く認知されて手に取られる商品とは同じにはならない。往々にして技術と需要とは方向性の点でずれが生じるので、それをうまく結び付けて双方ともハッピーにさせるのが、技術にも長けた市場開拓者的な人やマーケター、コーディネーターの類ではあるのだけど......数が不足しているのか、それとも能力が足りないのだろうな。
ああ、それと。最後の「自分で付加価値を高め、直接売るようにしないと利益が大きくならない」ってのが凄く大事。これが出来るようになった、可能性が切り開かれつつあるのが、ネット時代といえる。漫画や小説、工芸品などエンタメの類で、この事例がちらほら出てきているけどね。
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