危険な場所での撮影の是非とその様式の可視化...報道の在り方を問う話

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竹ノ塚にいるのだがすんごい撮り方してるカメラマンいた 東武の作業員が危ないので降りてくださいとの注意を完全無視する始末 で腹部に日本経済新聞の腕章下げてた 有名新聞社の記者としてどうなのかと思った pic.twitter.com/hYXm5bQ1Ki

— バリと言われたくない模型鉄 (@N_TobuSemiExp) 2015, 3月 1


先日の中東事案や旅券問題とも絡んでくる、報道姿勢に関するお話。先日の東武線における踏切事故で鉄道好きな方による現場でのお話と、それを裏付ける実態が明らかになって、ちょいとチェックをしておく必要が生じている。前提としては上記の通り、事故現場で関係者の制止も聞かずに危ない場所からカメラを構えていた記者が居たという話。単体の写真だけだと通過中の電車を撮影しているようにも見えるけれど、これは事故で止まっている電車を撮影しているようす。もちろんこれが危険な状態でのシーンには違いない。当日は雨が降っていたので足場もすべるだろうし。

「日経新聞の腕章」とあるので、それが本物であり、実カメラマンならばあるいは翌日以降の日経にこのカメラマンによる写真が掲載されるのだろうなあ、と思っていたのだけれど。


実態としてはこの通りで、やはり日経のカメラマンで、それが使われたという次第。日経所属の内部カメラマンなのか、それともフリーのカメラマンで日経の肩書を使わせてもらっているのかまでは分からないけれど。

「報道の自由」「伝える責務」があるのは分かる。伝える側にとっては、より緊迫感のある一枚を欲している、その方がインパクトがあるのも理解はできる。先日の「人を伝える」云々ってのもそれにつながるのだろう。

ただ一方で現在は今件のように、記者、報道関係者以外も伝える機会を持つようになり、その姿勢が第三者によって検証される事を忘れちゃならないような気がする。以前と同じ立ち位置で振る舞っていると、新たな環境に対応が出来なくなる。「取材する側」が一方的に取材できるのではなく、当事者もまた「取材される側」となっている現実を認識する必要がある。

少なくとも日経関係者は鉄道周りにおいて、無作法な人達に対して否定的な言及をすることが難しくなってしまった。今件を持ち出され「まず隗より始めよ」と言われてしまう。

仕事と趣味は別物だから問題は無い? その指摘の場合、仕事なら危険行為、しかも現場の関係者に制止されてもそれを続けることが肯定されるのかな、という問題になる。仕事とでオールマイティカードでは無い。結局企業の利益のためにやってるのだから。仮にこれが現場関係者に依頼されて、現場検証・証拠保全のための撮影なら話は別だけどね。

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このページは、不破雷蔵が2015年3月 3日 07:14に書いた記事です。

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