これね 摂取カロリー:終戦直後以下 20代女子2割が「やせ」 - 毎日新聞 http://t.co/p6mXP6BAwV
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 3月 17
さらに、国連食糧農業機関(FAO)によると、北朝鮮国民への1日の平均エネルギー供給量は11年で約2100キロカロリーとされる。日本の若い女性が取り込むエネルギー量は、経済制裁下の北朝鮮の人々への供給量よりも少ないことになる。
昨日当方のツイッター上のタイムラインを賑わせたネタの一つがこれ。毎日新聞によるもので、国民健康・栄養調査の結果を用い、若年女性の摂取カロリーが減退している、北朝鮮の人々への供給量よりも少ないなどといった、ショッキングな表現でぐぬぬ感を覚えさせる内容。
掲載されているグラフの縦軸の最小値が1500kcalであることを目立つように書かないと多分に誤解を受けるグラフだなあ、という話もあるけれど。確かに女性、特に若年女性の過度なダイエット、さらには食事そのものへの軽視的な傾向、そして各種報道や記事、世間一般の風潮として「痩せなきゃダメ、太り気味でもアウト、美しくない」的なものがあり、過分に食事を取るのを気にしすぎてしまうってことから、女性が小食になっているのでは、との話は見聞きしている。それにしても、やはりどうにも腑に落ちないところがある。
貧乏飯ってカロリーだけは高くて栄養偏ってたりするから、摂取カロリーで比較したらダメなんじゃないの?
>RT
— ふじわらたかあき (@fujiwaratakaaki) 2015, 3月 17
で。こんな指摘があって、はっと我に返った。確かにその通り。アメリカにおける肥満傾向の「一因」として、フードスタンプ(SNAP)を使う人たちの食生活のラインアップが単調かつインスタント・ファストフード的なものが多くなり、カロリーだけが多くなるからって指摘がある。実際に食材を買っている人なら分かるけれど、実際コストを抑えようとすると、熱量がごりごり上がってしまう。
カロリーは食事の質を精査する際には欠かせない指針の一つに違いないけれど、それがすべてではない。それだけにこだわり過ぎると、振り回されることになる。カロリーが足りない件そのものは憂慮すべきで、上記に挙げた過度のやせ賛美に関する世間一般の動きは是正する必要はあるのだろうけれど、その食事の中身についても精査する必要はあるのではないかな。栄養バランス的にはどうなんだろう、上の毎日新聞の記事は、そこまで精査した上で「若い世代の女性の食にいま何が起こっているのか」と提起しているのか。
まぁ、確かに本文を読み進めると「ビタミンやミネラルなどのいわゆる微量栄養素の摂取量も少なめだという」とはあるけれどね......「北朝鮮の人々への供給量よりも少ない」云々という言い回しを使う必要はあるのか否か。その煽動的・一方向性の誘導的な伝え方のスタイルの積み重ねこそが、今件提起されている若年女性の「食べなさすぎ」を後押しした原因ではないのか、と思うと「マッチポンプの構造なのかな」とも思ったりする。
個人的には痩せる・太る云々は別にしても、健康的な食生活を営んでほしいって想いはあるけれどね。時間や気力が無いからちゃんとした食事を作るのはイヤだってのがあるけれど、それで節約した時間や気力以上の浪費、さらには健康リスクの体現を、食事の軽視で生じる気力減退で起こしてしまったら、元も子もないのだけれどね。
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