商業雑誌で連載をさせて頂いている時は同人誌即売会のように読者さんがダイレクトに見えることはなく、応援の声も圧倒的に少ないのでどんどん心が寂れていくのを感じて、一体誰が読んでくれて、誰が楽しみにしてくれているのか分からなくて描き続けるのが何度もつらくなりました。
— 櫻井マコト@3/15僕ラブ【ブ01】 (@relaxmakoto) 2015, 3月 16
無論これは一例でしかなく、雑誌掲載の仕事を持つ先生(漫画家に限らず文筆家やイラストレイター、写真家などまで含めて)の悩みのお話。アンケートハガキの内容を編集経由で見せてもらう、コピーをもらえるってこともあるのだろうけれど、数字的データ以外の直書きの文字はやっぱり嬉しい。ただその数はよほどの有名作家でない限り山ほどあるわけではないし、紙に書くことのハードルの高さもあって、ポジティブな意見はどうしても少なくなる。
結果として指摘の通り、「がんばれ」「おもしろっ」的な読者からのポジティブメッセージが伝わらず、凹みを覚えることになる。自分は不特定多数に向けて作品を提供しているはずなのに、その相手の顔が見えない。これは辛い。いや、お金のため、名声のためと割り切っている人でも、時間の経過と共に辛みを覚えることになる。空気と無機質な数字を相手に戦っているようなものだから。
作品を買い支えていただけることだけで作家は十分応援の存在を感じられるのですが、なにぶん衣食住外の生活に必要のない娯楽作品を作っているゆえ、メンタルが弱ってくると段々自分の存在意義だったり頑張る理由が見つかってこなくなるんですよね。
— 櫻井マコト@3/15僕ラブ【ブ01】 (@relaxmakoto) 2015, 3月 16
なので、もし余力のある方は好きな作品の作家さんに「読みました」報告や「面白かったです」報告や「次も楽しみにしています」催促などをしていただけたら、作家は本当に頑張って次の作品にとりかかりろうと思えますので、作家だけでなく読者さんも嬉しいことになるのではないかなと思うのですよ。
— 櫻井マコト@3/15僕ラブ【ブ01】 (@relaxmakoto) 2015, 3月 16
作品購入、アンケートはがきで「よかった」部分に丸を付ける。それらも当然その作品、作者に対する投資に値する。これは以前解説した通り。一方でネットが普及して新たな、便利な情報伝達手段が登場し、それを使うことが日常化した以上、寂しさがより具体的なものとなる。それを解消できる手段を知ってしまったからね。
だからこそ、今件のお話はとてもよく理解できる。そもそも論として、「そんなのイラネ、ウゼェ」的な考えを持っている作家は、その名前でソーシャルメディアをやっていないと思う(笑)。読者側も感想が作者にとってエナジーとなりスタミナとなり活力源となり、作品を活性化させる、力づけるものとなるのなら、やはりその感想を書くのに費やしたリソースは、立派な投資活動の一つになるのではないかな。というか、過去はそんなことを出来る機会など無かった、ありえなかったのだから、むしろ今は恵まれた環境下にあると考えてもいいのだろう。読者にとっても、そして作者にとっても。
あと別に作家にリプ飛ばさなくても、面白かったら面白かったってつぶやいて拡散してもらえるだけでありがたいというか、読んでくれた人がいい反応くれてても埋もれていく作品はいっぱいあるので、応援したいと思ったら目いっぱい応援しないと多分埋もれる。
— みやびあきの(おにまん1巻発売中) (@Mi_akino) 2015, 3月 17
他の作家さんともよく話すけど、最近無料の漫画も増えたし、ビュー数のものすごく多い作品もいっぱいあるけど、無料漫画で沢山読まれてたら単行本が売れるわけでもなくて、業界全体で新刊そのものが売れなくなってるからこの先20年作家続けるのどうしたら良いんだろうねって考えたりする。
— みやびあきの(おにまん1巻発売中) (@Mi_akino) 2015, 3月 17
描くのが好きで描いてて、今はこれで食べさせてもらってるけど、続けるための工夫は多分もっとしなきゃいけなくて。
— みやびあきの(おにまん1巻発売中) (@Mi_akino) 2015, 3月 17
子育てしてると業界から取り残されそうでたまにものすごい不安に襲われたりするけど2人目育てるのがひと段落着いたらダッシュ、今は徒歩でエネルギー溜めるときって言い聞かせてたりする。私生活も大事なのは分かってるし子供超かわいいけど、時間は有限なのでいつもバランスとの闘い
— みやびあきの(おにまん1巻発売中) (@Mi_akino) 2015, 3月 17
割とよかった~っていう反応じゃなくて「この作品好き~」って言ってもらえるのはやっぱり嬉しい。「割といい」と「好き」ではやっぱり雲泥の差だと思うから
— みやびあきの(おにまん1巻発売中) (@Mi_akino) 2015, 3月 17
そういえば昼間につぶやいた無料漫画の話題で単行本のためし読みは欲しい!っていう意見はごもっともなわけで。で、どこにもないかというときらら系はきらら公式WEBに全単行本ためし読みが付いてます
— みやびあきの(おにまん1巻発売中) (@Mi_akino) 2015, 3月 17
エゴサーチ......ではなくてセルフサーチの話も良く聞く話。作品を持つ作家先生は大よそ、自分の作品名や名前自身で検索をして、反応を見ていたりする。まぁ、「@」を使ってリプライをするのが一番確実なんだけれど、それこそレイバンアタックのようなことをするのは常識的に考えてアウトなので、ケースバイケースで。
余談になるけれど、単行本の試し読みってのはいいよね。話の流れの構造や、絵のタッチ、雰囲気などをチェックした上で、その作品を注目するか否か、単行本をゲットするかどうかを判断できる。試し読みから出会いがある場合も十分あり得るわけだし。また「NEW GAME!」のようにちょっとしたきっかけで多くの人に注目をされて、作品の良さが見出されるなんていう巡り合わせもある。
読者も作者も出版社も、とにかくたくさん種をまかなきゃ。そして水を、肥料を与えねば。昔と比べて随分と環境は悪化しているのだから。
コメントする