「小説家になろうの作品は異世界に転生するものばかりだ」というご意見は仰る通りだ。「時代小説は侍が出てくるものばかりだ」と同様に正しい。
— 蝉川夏哉/逢坂十七年蝉 (@osaka_seventeen) 2015, 3月 18
@osaka_seventeen 何の変哲もない青少年が異世界でヒーローになるという夢を小説で体現するのと、江戸時代に憧れる作家が時代劇で自分好みの主人公を組み込むのは確かにちょっと似ているかもしれない。
— あっきぃ。 (@akkiy_ya) 2015, 3月 18
@akkiy_ya 構造としてとてもよく似ていると思います。世界観が半ば共有されていて説明が省ける部分も。
— 蝉川夏哉/逢坂十七年蝉 (@osaka_seventeen) 2015, 3月 18
漫画にしても小説にしても創作物は多分に作り手の願望の体現化の一様式だから(もちろん時代の風潮に合わせて、って場合もある)、作り手の想い、願いが作品に反映されることは良くある。だから昨今の小説投稿コミュニティで異世界に転生する、あるいは足を踏み入れるって話が多いのは、現実逃避をしたい、今の世界の枠組みにとらわれない生き方をしたいという書き手の願望の表れかもしれない。江戸時代に憧れる人が自分の姿を主人公に投影し、作品を手掛けるってのは良くある話。時代が不景気になると空想・架空戦記小説が流行るってのとパターンは似ているのかも。
異世界転生ものが作る負荷低いってのは理由としてありそう。>RT
現実知識のパッチワークで作れる上に考証もそこまで追及されないし。
漫画は逆に異世界なんて描くのたいへんだからか、そんなにオリジナルな
ファンタジーは多くない。(けど、学園ものが多いのが同じ理由>負荷低い)
— ざらぶ・でらっくす (@zarabu01) 2015, 3月 18
昔の異世界SFとか読むと社会、風俗などを実に細かく描写してるけどあんまりそういうの求めてない読者が多いんだろうなあと。読んで消化するの大変だし。
— ざらぶ・でらっくす (@zarabu01) 2015, 3月 18
一方で、自分の願望による部分はもちろんだけれど、それに加えてリアリティの部分で「フェイク」を盛り込むのが容易ってのも異世界転生ものが流行る一因という指摘は的を射ている。現実に近いものほど、その考察がアレなものになるとツッコミが入りやすくなるし、作品としても面白みが無くなる。だからこそその枠組みがゆるい、ハードルが低い異世界の舞台が好まれる。何しろその世界では想像主が作者自身で、どのような世界も思いのままだから。つじつま合わせなどお茶の子さいさい。
ただしそれをある程度目に見える形にする必要がある漫画となると、話は別になる。面倒くさいからその部分の描写は別にいいやってことになると、「これ、異世界なの?」という違和感を覚えさせ作品を興ざめさせる(某四コマ漫画でタイムスリップものなのに、過去の世界のあれこれが現在と変わらず、周辺描写もそのあたりの考察がまったくなかったので、一気に興ざめしたものがつい最近あった)。
社会経験の無い漫画家志望者は恐ろしい確率で異世界ファンタジーか学園ものの二択で描こうとするが、前者は実世界の観察が甘く世界観を創れず、後者はひたすら出現する机と椅子の作画の手間がネックとなり死ぬ。
_(:3 」∠)_
— 紗汐 冴 コミ1の12a (@shiosae) 2015, 3月 18
学園物の机といすの恐怖は良く知られた話ではあるけれど、それを別にしても世界観の上でのリアリティは小説同様、あるいは小説以上に漫画は必要......というのが当方の自論。まぁ、設定厨と言われてしまいかねないけれど。
可愛い子が出てくれば、カッコイイメカが登場すればそれで人気が出るからOK。それは一つの方法論で、それで成功した事例もたくさんある。その一方、しっかりとした世界観が構築され、そこからごっそりと切り取って披露する、それが体感できる作品こそが、面白みを持つんじゃないのかな、という気はする。
具体的に、はっきりと認識できなくても、何となく、雰囲気的にすっと入れるような、自然な感覚。ぎこちなさを覚えない流れ。例えるなら、1本1本が、巨大なジオラマから逐次一場面を切り取って披露するような、そんな前提の上での作品。表面的に見えるビジュアルやセリフ回しの奥に見える、その世界における風、香り。それが感じられるか否かは、どれだけしっかりと世界を創っているか否かが大きく影響してくるのだと思う。
まぁ、漫画にしても小説にしても、そこまで色々と考えて読む必要はない、単なるエンタメなんだからって言われればそれまでなんだけどね。考えなくても深層部分で感じ取り、それの積み重ねが作品への評価にもつながってくると思うのだな。
だからこそ異世界ものってのは自分で世界を創る分にはハードルは低いかもしれないけど、その異世界の世界観をしっかりと構築できないと(それ故に自分が好きな世界での話が望まれる)、良い作品は生まれない。要は作品の世界に対する作家の愛が大きく作品の良し悪しに係わってくるのではないかなあ。
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