「これは選んでほしくないな」ゲームにおける運用側の思惑をいかに利用者に見せるか

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選択肢のラインアップ自体に問題があるのではないか、だったら最初から選択させずに「選んでほしい方」で進ませればいいじゃないかという(あるいはドラクエにおける「そんな......ひどい」みたいに、選択は出来るけれども先に進まず、もう一つの選択肢を事実上強要させる)、前提をちゃぶ台返しする疑問はともかくとして。管理制作側の思惑における「選んでほしい度合いに差がある複数の選択肢」を呈する時に、出来れば選択してほしくない方に対し、心理的・操作的にハードルを設ける場合がある。

これってウェブ技術と同じ。さらには対人サービス全てに言える事。注目記事を上の方においたり、文字を大きくしたり。是非とも買ってほしい商品にポップをつけたり高い場所に置いたりレジ横に並べたり。ただその際に、選んでほしくない方にハードルを設けるのはよろしくないという話。これって以前の【ほめるためにはどうすべき? 単に評価し持ち上げるのか、他を叩いて相対的に上げるのか】とも通じるところがあるかなあ、と思ったりもする。


結局人間ってのは概して自分の目の前にある選択肢の中から、相対的な価値の比較をした上で、よりよいものを選ぶ。だから片方を下げるにしてももう片方を上げるにしても、結局は同じ。その相対的な価値の差異を設ける際に、利用者のストレスを利用するってのは、あまり良い手法で無いって意見は、確かにその通りかもしれない。

そのストレスが快感に変わったり、あるいは臨場感を底上げするのなら、それは演出になるけれど、単なる不快感的なもので終わってしまったら、ゲームそのものの印象が悪くなる。例えば現金100円を出して鉄鉱石1トンを購入できる、ゲーム内で採掘して同じ量を手に入れるにはピッケルでザクザク掘り出して製錬し、逐次出来上がったインゴットを積み重ねていく工程を、それこそ何時間も繰り返さなきゃならない。後者の場合はストレスがたまるけれと、同時に生成する、少しずつ量が増えていくという楽しみも得られる。このタイプなら問題はないのだれどね。単に無料の場合は1ボタンクリックで10グラムずつカウントが増えていき、10万回クリックしたら初めて1トン手に入る......なんて仕様にしたら、やっぱり良い印象はない。

利用者が実際に利用する時に、どのような感情を抱くのか。作り手、管理側の事情や都合、思惑だけで考えていると忘れがちだけれど、必要な話には違いない。

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このページは、不破雷蔵が2015年3月20日 06:25に書いた記事です。

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