プログラムのミスのことを「バグ」などと呼ぶから、「つぶす」ものに思えるしバグ退治にいまいち意気が上がらないので、あれを「ドラゴン」とか呼ぶことにしていれば、ドラゴン退治に熱が入るしミスの修正者がドラゴンスレイヤーとして顕彰される感じになってよかったのではないでしょうか。
— 大西科学 (@onisci) 2015, 3月 17
プログラム......に限らずさまざな状況上の不具合を「バグ(Bug)」と呼んでいる。その表記からも分かる通り、語源は「虫」を意味するバグ。色々と調べてみると、コンピューターの登場以前から機械仕掛けの物品における不具合に関して「バグ」という言い回しが使われており、それがコンピューターの、とりわけソフトウェア上の不具合でも使われるようになったとの話。
ではなぜ昔から「バグ」が機械の不具合として使われていたのか。そこまではちょいと分からない。小さな虫はどこにでももぐりこむもので、昔の機械では実際に虫の闖入がトラブルの原因となった事案があったのかもしれない(すでに言葉としてよく使われていた、コンピューターそのものの初期の時代に、物理的な虫がバグの原因になったとの記録もあるようだ)。
で、その不具合たるバグを退治することをデバッグ、バグ取りというのは知られている話。また指摘の通り、虫をやっつけることから「つぶす」と表現されることも多い。ただ、細かい虫を退治しても意気が上がらないってのは良くわかる。勇者がスライムやゴブリンばかりを退治していても、あまり格好がつかないってところかな。だったら対象をもっと格上げしてドラゴンにしてしまえば、バグ取りはドラゴン退治になるしバグ取りを巧みにこなす人たちはドラゴンスレイヤーと評されるようになる。うむ、格好いい。
ただこれも問題がある。
プログラムなどをやっている人には分かると思うのだけど、バグは付き物。人間の病気と同じで、いくら解消しても次から次へと沸いてくる。そのたびにドラゴン扱いしていたのでは、すぐにインフレ化してしまう。結局いつしかドラゴン退治が単なるスライム退治と同じような扱いになってしまうのは目に見えている。「つぶす」から「退治」になるのは変わらないので、その点は良いのだけれど。
もう一つ挙げるとすれば、ドラゴンには強敵、手ごわい相手というイメージの他に、畏怖すべき、気高きもの的な意味もある。バグ自身は大よそ退治の必要がある存在なだけに、ドラゴンのイメージとはちょいとばかり異なる気もするのだな。
発送自身は非常に面白い。それだけに何かもうひと工夫することで、うまく出来る方法はないかなあ。敵機扱いして撃墜マークとか? あっという間に皆が皆エースパイロットになってしまう(汗)。
......そういや、掲載雑誌の廃刊で途中で連載が終わってしまったらしいけれど、新谷かおる先生の「ドラゴン株式会社」はまさにそんな設定だったんだよなあ。バグ=ドラゴンで、デバッガーが勇者って感じ。
もしかしたら発想がそもそも逆転するかも。
気軽にドラゴンを生み出す設計をする戯け者を出さないよう、手堅い設計が当たり前になり。
それでも生み出されるドラゴンを退治できるのなら、それはそれは大層立派な称号になりそうな。
…この発想でいくと、ドラゴンを生み出す設計者は、我流の召還術を無節操に使うマッドサイエンティストみたいな悪の魔法使いの位置づけになるのかなw
「そして、とうとう悪の魔法使いは退治され、世界に平和が戻りました。ちゃんちゃん。だが、第2第3の(ry」