「患者には出すけど、医者が飲まないクスリ」話題に登っていたので見てみたら中身はナニがアレだった

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電子カルテの話やらがん治療の話やらお薬手帳の話やら、いやそれ以前から定期的な形で医療の既存システムに叩きを入れて怪しげな話を風潮するってのが、雑誌などを中心としたメディアのトレンドの一つとなっている。中には実際に指摘の通りでなるほど感を覚えたり、あるいは医療現場の改善をうながす福音につながるものもあるけれど、大よそは「既存システムに石を投げればヒーロー扱い」という、ちゃぶ台返し理論に基づいた小銭稼ぎ的な山師のお話。

で、上記の話が目に入り、また例のがん治療関連で騒ぎが起きたのかなということで探してみたら、ちょっと方向性が別のものだったというお話。要は医者が処方するお薬にはヤバいものがあり、これは医者自身は飲まないよ、危ないぜというもの。そもそも副作用の無い薬など存在しない以上、語られている内容自身がアレなのは容易に理解できるのだけれど。


......ということで話の大本となる記事の中身を読んでみたら、予想以上にひどかった。「保存版一覧」とあるけれど、ネタ系記事の典型的パターンという意味で保存する意味があると評価できるほど。

当方は医療従事者・有資格者では無いので医療方面での言及はしなかったけれど、数量的・調査結果の精査の上でも突っ込める部分は山ほどあったので、元記事にオーサー権限で次のような解説を残しておいた。

今件記事はその内容の性質上仕方ない面もありますが、多分に匿名によるもので、その内容も含め信頼性に欠けます。実名の医師の方も数名いますが、各お名前を検索し、その実情・これまでの行動を検証すれば、記事の信頼性が把握出来るでしょう。さらに調査対象母集団が20人という少数による検証自体、主張の担保としては少なすぎます。


お薬手帳やがん治療の話も好例ですが、最近雑誌等で流行の「既存のシステムに対して異議を唱えることで不安をあおり立て、注目を集める」手口の好例の記事と評価せざるを得ません。

繰り返しになりますが、この類の記事に関しては、まず固有名詞を抽出し、その経歴を確認し、語られている内容の背景や確証度を確かめた上で、記事の信頼度を精査することが欠かせません。紙媒体の雑誌ならざっと目を通して信じ、それでおしまいですが、ネット上の記事である以上、精査が可能であることを忘れないようにしましょう。


結局これね。紙媒体なら「さらりと読んでふむふむなるほど」と何となく信じてしまってオシマイになる。紙媒体そのものが得てしてそんな感じなのを前提にしている。一方でネットならば読んだ時点で精査がすぐに可能となる。コメントではリンクなどを設置できないのでややぼかした形になるけれど、トゥギャッターのまとめで指摘されている通り、数少ない固有名詞が挙げられている対象者は、それぞれ言及した内容の方面では結構アレがナニな人達。

これまでのビジネススタイルでは色々とぼろが出る。そんな時代なんだな、という想いも抱かせてくれたお話ではある。

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この記事について

このページは、不破雷蔵が2015年3月23日 06:42に書いた記事です。

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