誰であろうと、新聞屋やテレビ屋の取材などに応える義務なんか無い。たかが民間の商売人じゃないか。
"チュニスで負傷の結城さん「死ぬと思った」 http://t.co/qeQ5xmLD4y 大使館の方は本当によくやったと思う。 pic.twitter.com/1Htk4BsrA3"
— やせ我慢A (@yasegamanA) 2015, 3月 22
先日発生したチュニジアの首都チュニスの博物館で発生した事件。背景が色々と複雑な状況にあることもあわせ、物議をかもし、日本でも注目を集めている。日本人観光客も犠牲になっているし。それだから、というのもあるのだろうけど、負傷して入院している方に対し、現地の朝日新聞記者が「突撃取材」を敢行......しようとし、現地大使館の制止を受けたという話。それだけなら表ざたになることはなかったのだろうれけど、負傷者自身がその時の状況も含めた手記を書き連ね、複数報道機関に(恐らくは)同時に公開した、その手記に「突撃」した記者の所属が明記されていたことで、ちょっとした物議をかもしている。
手記は全文が公開されているのでそれを読んでほしいのだけれど(プレスリリース化されていれば全文引用も出来たのだけれどね)、【「親近感を持たせるため」という大義名分のもとに繰り返されるプライバシーの暴露】などでも言及している、メディア側の無神経で高圧的、対象者への配慮もかなぐり捨てた取材ぶり、それに応えることを義務だと思っていた、思わされていた状況での辛いインタビュー、そしてそれが単なる思い過ごしでしかなく、断る権利があると語られた時の解放感がじわじわと伝わってくる。メディアスクラムという言葉が改めて理解できる話ではある。一応【魚拓】は採っておいた方がいいね。
チュニジア警察や病院、日本大使館の方々の良い仕事ぶりが伺える。一方で、メディアスクラムの酷さや辛さが伝わって来る手記。傲慢な取材のやり口が名指しで批判されていたり
→チュニスで負傷の結城さん「死ぬと思った」 倒れた母の頭に血だまり
http://t.co/bB0fc5IAF4
— Yasuaki Madarame (@madarame) 2015, 3月 22
これ、医師がインタビューに許可したんじゃなくて、「怪我の程度から受け答えはできる」と言っただけじゃないのか。「医師の了解」じゃないよ、全然。
— 準軍事組織研究 (@paramilipic) 2015, 3月 22
大使館員はちゃんと仕事した。
— 準軍事組織研究 (@paramilipic) 2015, 3月 22
医師「軽傷なので受け答えはできると思う。病室に行ってインタビュー申し込んでみたら」
記者「インタビューさせろ!本人や家族以外に断る権利はない!」
大使館員「邦人保護は大使館の仕事ですが何か?」
記者「こっちは医者の許可もらってんだよ!」
警備員「はいはい(暴れるなら)後にしてね」
— 準軍事組織研究 (@paramilipic) 2015, 3月 22
結局漏洩した当本人も処罰を受ける事になってしまったのだけれど、先日の沖縄の米軍基地での抗議行動の状況をとらえた映像の話と、構図はちょっぴり似ている気がする。自分自身は取材される、その実態を暴露されることはありえないという、従来の前提で傍若無人に振る舞っていたら、その実態が意外な形で世の中に明らかにされてしまったことで、色々な実態が不特定多数の人に知られるようになり、「為すべきこと」をしていなかった人たちが慌てているという感じ。
そう、「たかが民間の売文屋」。
他人のプライバシーを侵害する権利も無ければ、病院の敷地内に勝手に入りこむ法的根拠も持ってない。
患者にマイク付きつけ勝手に撮影してた奴なんて、今まで何人もいるけどね。
思い上がりもいいところですよ、インタビューも断って正解ですね。
— KGN (@KGN_works) 2015, 3月 22
他人の権利を侵害する事を「報道の自由」だの『知る権利』だのともっともらしくまくし立てて正当化する輩なんぞ、『売文屋』と呼んでいいと思いますよ。
— KGN (@KGN_works) 2015, 3月 22
完全にアウトです。
精神的に大きな打撃を受けてる状態の方に必要なのは安静であり、『意向を受けてなくても』シャットアウトするのが筋です。 :被害女性を出せとの怒鳴り声、「こうした対応が結城さんの意向を受けたものか分からなかったため」 http://t.co/yhwIqz7LN2
— KGN (@KGN_works) 2015, 3月 22
『無神経な行動が回復を遅らせるのだが?そんな事も知らずに事件を取材していたのか、恥を知れ』
:被害女性を出せとの怒鳴り声、「こうした対応が結城さんの意向を受けたものか分からなかったため」朝日新聞国際報道部長の、恥知らずな言い訳 http://t.co/yhwIqz7LN2
— KGN (@KGN_works) 2015, 3月 22
PTSDに関しては、9.11以降、実に膨大な研究がなされています。
メディアによる無神経な報道も、PTSDの原因の一つと指摘されました。
その程度、知っておけ。
— KGN (@KGN_works) 2015, 3月 22
震災後に「疲れてると感じるなら、TVを切ってください」と申し上げた方もいましたが、それの根拠は9.11なんですよ。
— KGN (@KGN_works) 2015, 3月 22
取材を受ける人、報道を見る人、全てがダメージを食らうんでね。
TVの場合、取材する人・編集する人にもダメージが行く。
現場の妨害にもなる。
実は、外野で騒ぎたがる図太いお喋り雀(こいつらは感受性が無い)は別として、誰にとっても有害な報道ってあるんですよ。
— KGN (@KGN_works) 2015, 3月 22
あの、外野で大騒ぎしてコンテンツとして事件を消費してるだけの人は「TV番組の中の事と現実を結びつける能力に一部欠損がある」んじゃないかと思いたくなる事がありますね。
悲惨な事件や事故が起きればそれはエンタテイメントというね...
鈍感過ぎる人に合わせると、普通の人が傷つくからね?
— KGN (@KGN_works) 2015, 3月 22
先日の旅券周りの話や【想いの通りにならないと地べたにへばりついて駄々をこねる子供のような...「批判自粛が広がっている」とジャーナリストや知識人が会見】でも何度か言及し、疑問を呈しているのだけど、問題行動をやらかしている報道関係って、多分に報道を高貴で偉大で絶対権益で不可侵なものと誤認している感があるのだよね。一部には確かにその観点で間違っていないところもあるけれど、だからこそ慎重にていねいに扱わねばならないもので、それを傍若無人に振り回して良いものでは無い。
それを繰り返しているから、報道という名のエクスカリバーは刃がナマクラになり、エクスカリパー状態になってしまっている。そしてそれを受ける人達には色々な盾が、鎧が装備されるようになった。さらには反撃の手段も得られるようになった。にもかかわらず相変わらず振り回し続けているので、色々と粗が目立つようになった。そんな気がする。
"大使館員とのやりとりについて、記者には大声を出したつもりはありませんでしたが、手記の中で「どなっている声が聞こえ、ショックでした」と記されていることを重く受け止め、結城さんにおわびします。" 朝日新聞:被害女性が手記 チュニジア襲撃 http://t.co/OnJTU4ovrg
— JSF (@obiekt_JP) 2015, 3月 22
未遂に終わったけれど「突撃取材」を敢行して大きなトラウマを与えたかもしれない記者が所属する朝日新聞は、その実名を名指しされたことを受け、その部局長が説明とお詫びの文言を呈している。ああ、こちらも【魚拓をとっておこう】。
ただこの取材も指摘の通り、謝罪になっているとは言い難く、むしろ言い訳に近しいものがある。よく言われる「ヘイポーの謝罪文」レベルでしかない。
それに今件の謝罪文では、取材を敢行しようとした該当記者の実名公開が無い。読者がより詳しい状況の精査を行うためには、該当記者の過去の経歴を知ることも欠かせない。どのような背景を、考えを持ち、記事をこれまで書き連ね、その結果今件のような「突撃取材」を成したのか。「親近感を持たせるため」には必要なのですよね、実名が。
やや蛇足になるけれど、今件の「手記」はプレスリリースこそなかったものの(共同通信社経由で多新聞社に回ったのかな)、複数メディアに向けて同時に流された感じ。自身に新聞社ほどの情報発信能力が無いと認識した上で、受信相手を複数に、同時に行うことで、一部受け手が内容を改ざんしたり都合の良いように解釈することが無いようにするとの考えでは良策。「吉田調書」事件があったばかりだからねえ。
情報メディアは、読者の目は、情報への意識は大きく変わりつつある。前世紀の姿勢のままで行動を続けていたのでは、歯車がかみ合わなくなる。その変わりつつある空気を読もう。まさに「KY」、だね。
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