過去の経験上、ゲームでなにかを記憶させるには「その答えあわせじたいをゲームで迫る」よりも「それを覚えるとゲームがスムーズになる」ほうが成功しやすいんだよね というか、教育目的のゲームは前者を扱うから失敗する印象
— 春魔解丼 (@vespiking) 2015, 3月 27
これは物凄く納得させられたお話。いわゆるe-ラーニング的なウェブ上の勉強系・啓蒙系サービスの大部分は、パーツ的に面白い、興味深い要素はあったとしても、全体的に面白さが見いだせないのですぐに飽きられてしまう。「子供はゲームが好き。ならばゲームで学ばせよう」という考えから作られたゲームは、得てしてそんな感じに出来上がってしまうけれど、面白くない。ぶっちゃけ。
それよりはむしろ、ゲームそのものが勉強になるのではなく、勉強をすることでゲームが一層面白くなる、勝ちやすくなるという、ツール的なものとして勉強を位置づけできるような仕掛けを作った方が、子供......に限らずプレイヤーは対象を必死に習得するようになる。いわば勉強がゲームの必勝法になるから。
ニンジャで英単語を覚えるなら、ニンジャの和訳を入れさせるゲームを作ってもじつは意味があんまりなくて、それより「敵のファイアイーターだ!」って出てきて、そいつが炎を使うニンジャ、っていうゲームのほうが記憶力は強い 「名前を見れば能力がわかる」という情報アドをプレイヤーに与える
— 春魔解丼 (@vespiking) 2015, 3月 27
艦これやってると軍艦の種類覚えられるけど、あれべつに軍艦の種類がクイズになってるワケじゃないですからね 「この艦艇は準戦艦としてつくられた主力艦」という知識が「重巡洋艦」というワードから導き出せればスムーズになるというだけで そして、その関係がもっとも理想的
— 春魔解丼 (@vespiking) 2015, 3月 27
知識を問うクイズのゲームがなんで効果がないかっていうと、要するに既存のテストの見た目変えただけだから 教科書の挿絵がカワイイだった経験は誰にでもあると思うが、ただそれだけで「この子の説明している〇〇ってなんだろう!」ってその教科の勉強がはかどったかっていうとそうでもねえじゃん
— 春魔解丼 (@vespiking) 2015, 3月 27
「艦これ」や「とうらぶ」で軍艦や武具の人気が集まる、周辺の界隈に興味関心を抱く人が増えるのも、結局のところゲームそのもののより深い理解と、疑問の解消、そしてプレイの上でアドバンテージを得るテクニック的情報になり得るから。
無論そのような方向性を持たせるためには、ゲームそのもののリアリズム、少なくとも現実味にあった設定と構築が必要になる。ゲーム内に戦車と装甲車が登場して「両方とも軍の車両だけど」という疑問で終わらずに、色々と調べて「戦車は遅い。けど装甲も厚いし砲撃力も強い」「装甲車は速い。けど装甲も薄いし砲撃力も小さい」というのが常識的な能力として理解できれば、ゲーム内での使い分けも楽になる。でもゲーム内で、戦車の方が高速で走り回ったり、分厚い装甲の装甲車が大手を振るって闊歩していたら、色々と台無しになってしまう。
無論このたぐいの理屈を考慮した上で、学習系のゲームを創ろうとすると、ゲームそのものの設定が非常に込み入ったものとせざるを得ないし、普通のゲームを作るのと同じ、あるいはそれ以上に労力が必要になる。「勉強用のゲームなんて、ちゃらちゃらした、ちょっとしたリソースの投入でOKだよね」的な感覚で思われている感が強いので、現状では難しいのかもしれないけれど......。
個人的には以前ニュース素材のサルベージの際に見つけた「財閥銀行」というゲームが好例になる気がするな。10年位前のゲームなので、どこかがアプリか何かで教育用のソフトとしてリメイクしてくれるとありがたいのだけれど。
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