ゲームで学ばせるためのコツ。ゲームと勉強を一体化するのではなく、勉強した方がゲームで勝ちやすい仕組みを作ること

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これは物凄く納得させられたお話。いわゆるe-ラーニング的なウェブ上の勉強系・啓蒙系サービスの大部分は、パーツ的に面白い、興味深い要素はあったとしても、全体的に面白さが見いだせないのですぐに飽きられてしまう。「子供はゲームが好き。ならばゲームで学ばせよう」という考えから作られたゲームは、得てしてそんな感じに出来上がってしまうけれど、面白くない。ぶっちゃけ。

それよりはむしろ、ゲームそのものが勉強になるのではなく、勉強をすることでゲームが一層面白くなる、勝ちやすくなるという、ツール的なものとして勉強を位置づけできるような仕掛けを作った方が、子供......に限らずプレイヤーは対象を必死に習得するようになる。いわば勉強がゲームの必勝法になるから。


「艦これ」や「とうらぶ」で軍艦や武具の人気が集まる、周辺の界隈に興味関心を抱く人が増えるのも、結局のところゲームそのもののより深い理解と、疑問の解消、そしてプレイの上でアドバンテージを得るテクニック的情報になり得るから。

無論そのような方向性を持たせるためには、ゲームそのもののリアリズム、少なくとも現実味にあった設定と構築が必要になる。ゲーム内に戦車と装甲車が登場して「両方とも軍の車両だけど」という疑問で終わらずに、色々と調べて「戦車は遅い。けど装甲も厚いし砲撃力も強い」「装甲車は速い。けど装甲も薄いし砲撃力も小さい」というのが常識的な能力として理解できれば、ゲーム内での使い分けも楽になる。でもゲーム内で、戦車の方が高速で走り回ったり、分厚い装甲の装甲車が大手を振るって闊歩していたら、色々と台無しになってしまう。

無論このたぐいの理屈を考慮した上で、学習系のゲームを創ろうとすると、ゲームそのものの設定が非常に込み入ったものとせざるを得ないし、普通のゲームを作るのと同じ、あるいはそれ以上に労力が必要になる。「勉強用のゲームなんて、ちゃらちゃらした、ちょっとしたリソースの投入でOKだよね」的な感覚で思われている感が強いので、現状では難しいのかもしれないけれど......。

個人的には以前ニュース素材のサルベージの際に見つけた「財閥銀行」というゲームが好例になる気がするな。10年位前のゲームなので、どこかがアプリか何かで教育用のソフトとしてリメイクしてくれるとありがたいのだけれど。

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このページは、不破雷蔵が2015年3月28日 07:33に書いた記事です。

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