青田買いの是非と、ダメならどうすりゃいいのか

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人が生き続けるためには霞的なものも必要だけれど、霞だけでは生きていけない。さらには人はパンのみにて生きるにあらず(だがパンなしには生きられぬ)。優秀な、有望な人材が海外の企業に高級でスカウトされる状況を説明し、それを青田買いとして危機感を覚えるという話ではあるのだけど、それが危機感を覚えるに際し、どの部分が危機なのかを色々と考えてみようという流れ。

なぜ優秀な人材が海外に引き抜かれるのか。そりゃ本人にしてみれば、自分を高く評価して、対価と活躍が望める環境を用意してくれるから。そして海外に活躍することになれば、個人ベースではグローバル化となるので、それはそれでアリなんじゃないの? と思ったりもする。イチローとかが良い例だよね。

それとも新聞記事で書かれている、あるいは思われている「グローバル化」っていうのは、日本企業が海外に進出することのみを意味しているのだろうか。日本人の優秀な人材が海外に飛び出すのは許さない、許容されないということなのかな。そして飛びだす云々っていう時に、対価や評価、環境を準備せず「日本人だから」という絶対に覆せない、そして言葉は悪いけれど対価としての評価は一円にもならない部分でしばりつけているところはないだろうか。それを世間一般には飼い殺しという。

日本の人財が海外に飛び出すのが問題なら、それを防ぐような対抗手段を取ればいい。指摘の通り、引き抜かれるのと同様に正当な評価、相応な対価、十分な環境を用意すれば、後は日本プレミアムがつく国内に慰留する場合が多分になる。さらには他国からも優秀な人材がやってくるかもしれない。グローバル化ってのは行き来のハードルが低くなったことであり、自分のところに美味しい蜜が自動的に集まってきて、他には行かないってことを意味するわけじゃない。他からの流入はオッケーだけど、自分の所の流出は許さないってのは、囲い込みでしかない。

この辺の話は単純化すれば、容易に理解は出来るのだけどね。引き抜かれるのが問題なら、引き抜かれる理由となった条件を見極めて、同じように整備すれば良い。それこそがグローバル化。それをするのに必要なリソースが足りないというのなら、どこかで配分が間違っているか、そのリソースを得るための工夫が求められる。

個人的にはリソース配分を決定する意思決定の部分で旧態依然な考えが多分に残っているのと(金など出さなくても精神力と「日本人だから」の御旗を振れば黙ってついてくる的な)、一歩引いた形にはなるけれど全体のリソースの配分方法として「タネ籾まで食べてしまう、それを正当化する人達が居る」ってのが問題だと思うんだけど。いわゆる脱成長とか、若年層への将来に向けた投資よりも自分達への社会福祉を充実しろという層とか、ね。

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このページは、不破雷蔵が2015年4月 3日 07:32に書いた記事です。

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