「ここの演出は、このコンセプトしかない!」と決めた時、ゲームの都合で、特定の状況で違和感が出ることがしばしある。あるが、無視するか、ヌルッとやっておいってコンセプトを死守したほうがいい。ムリに整合性を取ると「全体のクオリティを押し下げて、バランスをとる」という結果になりやすい。
— TANAKA U ゲーム系フリーランス (@TANAKA_U) 2015, 4月 2
一応これはゲームの制作上、デザインでの話ではあるのだけれど、案外他の社会一般的なさまざまな事案で通用しうる話だったりする。特定部分でなにか違和感を覚えた場合、その違和感を解消するために他の部分を均してしまうと、結局全体が低いレベルで統一されてしまい、まとまった形となったとしても、質の低いものが出来上がる。形を整えたいのか、質の高いものを創りたいのか、優先順位が入れ替わってしまう。
鉛筆を揃える時に、1本だけ短いのがあったら、他の全部を削って短いのに合わせる、そんな感じ。揃える上ではそれが正解だけれど、理不尽さを覚えるし、意味が無い。だったらその短いのを除外するか、そのままにしておいた方が合理的。まぁ、商品によっては、非合理的でも短いものに揃えろ、というケースもあるのだけれど。発想としてはアレだね、サッチャー氏が語った「お金持ちを貧乏にしても貧乏な人がお金持ちになるわけでは無い。皆が貧乏になるだけだ」という発想と近しいところがあるよね。
そのコンセプト(テーマ)を死守しつつ、違和感も解消できる「最高の解決策」はどっかにあるんでしょうけど、適切なコスト内でみつかるとは限らない
・最初のコンセプト
10 8 10 9 2 (^q^)< 2が不安
・不安を取り除いた後
2 2 2 2 2 (^q^)これで安心!
— TANAKA U ゲーム系フリーランス (@TANAKA_U) 2015, 4月 2
-1を解消するのに+10を犠牲にするパターンはしばしあるので「特定の部分が気になりすぎて、足し算引き算ができなくなる病」は、常々注意したほうがいい。
— TANAKA U ゲーム系フリーランス (@TANAKA_U) 2015, 4月 2
「-1を解消するために、+10を犠牲にする」の例えだけど、犠牲にするものはすでに積んだクオリティである場合と、リソースの場合がある。リソースには「開発者のモチベーション」も含まれる。
— TANAKA U ゲーム系フリーランス (@TANAKA_U) 2015, 4月 2
繰り返しになるけれど、これはケースバイケース。当然、マイナス1を解消するために、プラス10を犠牲にした方が良い場合もある。ただし、それが唯一の解決法では無い。上でも説明しているけれど、マイナス1の部分を足すのはもちろん、マイナス1を持つ部分を取り払う、さらにはマイナス1の部分をあえて残す方法もある......というか、むしろその場合の方が良いことも少なくない。
なによりも「マイナス1があったら絶対に他のプラスの部分を削って合わせなきゃ。プラス10を犠牲にしてでも」という選択肢以外も考えられる、ということを頭に入れておくだけでも、柔軟性のある選択、決断が出来るに違いない。
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