GEの事例はあんまり聞いたこと無かったな。
中国での生産を米国内に移管(輸送コスト削減)+生産現場との調整による設計変更+それに伴う原料コストの削減=の結果によって$1599の製品を$1299へ20%引下げという...。笑えない笑い話だ。(アウトソーシング手法そのものの改質が必要ね。
— 危篤前@無任所提督 (@kitokumae) 2015, 4月 3
GEに関するコスト周りのソース発見。アップル・GE...米国回帰始めた工場の未来 http://t.co/fntQntEvXw
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 4月 4
単純にそろばん勘定をすれば経費を安くした方が利益は大きくなるので、安く外注できるのならその方が良い。基幹部分だけ手持ちにしておいて、後は安く買いたたけば利益を極限化できるのでは。確かにその考えは一理あるし、それが上手くいく分野もある。
ただ、例えば書庫の本棚を揃える際に、その時その時で安いモノを逐次買い進めていくと、全体を眺めると不釣り合いで居心地が悪いものとなったり、あちこちに余計なすき間が開いてしまい、最初から統一規格のものを買っておけばよかった......的な事例にもある通り、部分部分、その時点のみの最適化をつき進めていくと、全体像、中長期的な時間軸では逆にデメリットばかりが目立ってしまう。
指摘されている話は、まぁ人民元のレート変化ってのも一因なんだろうけど、管理運営品質維持、移送コスト、その他諸々も合わせ、自前で用意した方が、結局安上がりとなったいうもの。もちろんさまざまなリスクも減らせるので、中長期的に見てもプラスとなる。
正社員化でコストアップだのブラック云々よりも、改善活動によって実にコストダウンの可能性が高まりつつある昨今。やっぱり、内製をしない限りコストダウンは無理では無かろうかという感想を抱かせるわ。人をコストカットの源泉と考えるのはこれからの時代、捨てて構わない手段の一つかもしれない。
— 危篤前@無任所提督 (@kitokumae) 2015, 4月 3
内作化でコスト云々以外に管理の徹底化、人材の育成による中長期的な企業単位での価値創生と収益化が可能になるなど、メリットは多い。円安に伴う日本国内への企業の集約化も似たようなメリットがある。その意味では終身雇用制ってのはある意味理想的な形態だったのだろうなあ、という所感。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 4月 4
この辺りの話は以前【2015年2月分の「景気ウォッチャー調査」のコメントで株価動向と国内回帰の動きを探る】で言及した、円安に伴う国内回帰で得られるメリットの観点でも言及したこと。もちろん相応の規模が必要になるので、その初期投資や維持管理のコストも合わせ考えると、躊躇してしまうのは理解できる。また繰り返しになるけれどケースバイケースでアウトソージングした方が良いことも少なくない。
ただ、何でもかんでもアウトソージングしてコストダウンって時代は、すでに終わっているんじゃないかな。そのダウンしたコストって、本来はどこにかけられていたのか、そしてそれが削られることで、失われているもの、将来のリスクとして積み増しされているものってのに、目をつぶっている気がするのだけどね。ああ、先行記事の【情報とか保険とかセキュリティって形に見えないから対価の必要性を覚えない人がいるんだよね】にも共通するところがあるな......。
ちなみに最初に挙げた日経のGEに関する記事は、3年前のものであるけれど、必読のもの。短期的視野で無く、中長期的視野で経済を、産業を考える上で、是非一読する事をお薦めするよ。
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