①「スマホやめるか、大学やめるか」 信州大入学式で学長(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース http://t.co/CxyDecFu8Y
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 4月 5
山沢学長は、昨今の若者世代がスマートフォン偏重や依存症になっている風潮を憂慮。「スイッチを切って本を読み、友だちと話し、自分で考える習慣をつけ、物事を根本から考えて全力で行動することが独創性豊かな学生を育てる」と語りかけた。
新年度に入り各会社や大学で、トップの方による訓示が行われ、時としてその内容が報じられることになる。その中で、先日ちょいと話題に登ったのが、この信州大学の学長による訓示。昨今ではスマホの利用が高校生・大学生では当たり前となる中で、このタイトルと、「迫った」という説明に、そりゃもう大騒ぎ状態。
②高校生の時点でスマホ保有率が(格安版なども合わせて)9割超しているのですから、大学生になって使うなと言われても... 小中高校生のパソコンや携帯電話の利用率の変化をグラフ化してみる http://t.co/FEOL5pbItt pic.twitter.com/YMLVmqNOkV
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 4月 5
③使うなと言われても無理があるでしょ......と思ったけれど、該当記事を読み直すとちょっと変。学長は本当に「スマホやめますか、それとも信大生やめますか」と語ったのかな。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 4月 5
高校生ですら9割超がスマホ持ち。新大学生に持つな止めろってのは無理だろう......と思ったけれど、同時に違和感。学長が語ったとされる内容は至極当然。スマホだけに偏るな、対人直接対話を軽視することなく、自分で考える機会を設け、創造性を養えというものだし。もしかしたら本当には語っておらず、意訳したのかもしれない。ということで調べてみた。
信毎ウェブ 少し緊張 新たな一歩 信大、松本で入学式 http://t.co/WOVu4ZQAYK 「山沢清人学長はあいさつで、携帯電話やスマートフォンの影響について言及し「スイッチを切って本を読もう。友達と話をしよう。自分で考えることを習慣づけよう~」
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 4月 5
長野日報 新たな勉学へ一歩 信大で入学式 http://t.co/8916wuP2eo "「スマホ依存症」を挙げ、「スマホやめますか、それとも信大生やめますか。スイッチを切って本を読みましょう。友達と話をしましょう」と呼び掛けた。"
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 4月 5
長野日報のが一番分かりやすい。これなら文脈的に何らおかしいものではなく、スマホ禁止令云々というものでなく、モノの例えとして挙げただけであることが分かります。「少年よ、大志を抱け」みたいな。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 4月 5
長野日報魚拓 http://t.co/ywBwHEBANp 朝日新聞該当転送記事魚拓 http://t.co/gsOjoWEg7w
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 4月 5
テレビCMのパロディかもしれないけど今の新大学生には通じないかも、スマホを使っている人すべてが依存症になるととらわれるかもしれないので迂闊かもという指摘もあったけれど、そこまで考えたら何も語れなくなる感も否めない。
ともあれ、長野日報の記事の限りでは、学長は例え的なもので語ったものであるのは明らか。また、懸念されているようなスマートフォン利用のしすぎで色々と弊害が出ているってのは多数の調査結果で明らかにされているし、それを懸念しての意見であることも理解できる。さらにいえば本当に強圧的な形で使用を禁じるのなら、校則レベルで利用を差し止める話になる......が、同大学でそのような規則が設定されたという話はとんと聞かない。
その後さらに調べていくと、よりによって朝日新聞の長野総局が今件学長の語りに関して、詳細にその内容をツイートしていたことが判明した。
信州大学が松本市で入学式を開きました
山沢学長の挨拶を少し紹介します
「個性の発掘に没頭する『自分探し』、皆さんはこれからしようと思っていないですよね。若い時の自分探しは勧められません。......」
この後、続きます(仁)
— 朝日新聞長野総局 (@asahi_nagano) 2015, 4月 4
信州大の学長が新入生に送った言葉①「個性を発揮するとは、特別なことをするのではなく、課題に対し常に『自分で考えること』を習慣づける、決して『考えること』から逃げないことです。自分で考えると、他人と違う考えになることが多くなり、個性が出てきます。豊かで創造的は発想となります」(仁)
— 朝日新聞長野総局 (@asahi_nagano) 2015, 4月 4
信州大の学長が新入生に送った言葉②「創造性を育てる上で、心がけなければならないことは『ゆとり』を持つこと、ものごとにとらわれ過ぎないこと、豊かすぎないことが挙げられます。自らで考えることに時間をかけること、そして時間的にも心理的にも、ゆったりとすることが最も大切となります」(仁)
— 朝日新聞長野総局 (@asahi_nagano) 2015, 4月 4
信州大の学長が新入生に送った言葉③「自分の時間を有効に使うために、自力で時の流れを遅くする必要があります。(中略)残念なことですが、信州でもモノやサービスが溢れ始めました。その代表例は携帯電話。アニメやゲームなど、いくらでも無為に時間を潰せる機会が増えています」......(仁)
— 朝日新聞長野総局 (@asahi_nagano) 2015, 4月 4
信州大の学長が新入生に送った言葉④「スマホ依存症は知性、個性、独創性にとって、毒以外の何者でもありません。スマホの『見慣れた世界』にいると、脳の取り込み情報は低下し、時間が速く過ぎ去ってしまいます。『スマホやめますか、それとも信大生やめますか』」......(仁)
— 朝日新聞長野総局 (@asahi_nagano) 2015, 4月 4
信州大の学長が新入生に送った言葉⑤完「スマホの電源を切って、本を読もう。友達と話をしよう。そして、自分で考えることを習慣づけよう。知識を総動員し、ものごとを根本から考え、全力で行動することが、独創性豊かな信大生を育てる」。高い志と情熱を持ち続けろ!という熱いメッセージでした(仁)
— 朝日新聞長野総局 (@asahi_nagano) 2015, 4月 4
このツイートは時間を確認しても、明らかに最初の掲載記事より前。この内容を読んで大意を把握できていれば、あの記事のような主旨が「分かりやすいかもしれないけれど、主旨的にはあさっての方向を向いている」まとめ方の報道記事になるはずはない。しかし実際にはあのような煽り口調の内容となってしまった。なぜそこまでしっかりとテキストで記録が出来ておいて、あの記事として仕上がるのか。極めて疑問。語った文言自身は正しいが、切り貼りで主旨が脱線したまま、まさに揚げ足取り的なもの。まぁ、釣りと表現してもいいのかな。
その後色々と問題が生じていることを認識したのか、5日の午後4時過ぎに、学長の全文が朝日新聞にも掲載された。普通はこんなこと、ないんだけどね......
全文が掲載されたようです「2015年4月5日16時44分」 信州大学・山沢清人学長の入学式あいさつ全文 - 朝日新聞デジタル http://t.co/LGkncDmjEP
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 4月 5
一連の流れは【入学式のご挨拶】のページで遠からず先日の学長の訓示分が掲載されるはず(記事執筆時点ではまだ2014年分のまま)。
確かに言った言葉自身に間違いはないけれどもね。切り貼りしたり、変な説明を付けて煽ったり。どう考えても全体像から見れば異なる解釈をしてしまうような書き方をしたり。
さらにいうと、この朝日新聞の記事だけを読んで、その内容がアレだったものだから、各方面で「スマホやめるか、大学やめるか」とはよろしくない、今の情報化社会ではスマホは必要不可欠だ、的な主旨の論説、さらには信州大学の姿勢を叩く記事が複数か所で確認できる。ただ、それらの論説って、「スマホは大切、必要不可欠」という形でその便宜性、情報取得の大切さを主張力説しておきながら、その実態として、情報の確からしさ、精査の必要性の点でヘタを打ってしまっているという自己矛盾が体現化されるという、頭を抱える事態が生じてしまっている。
どうしたもんだか......。
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