クラウドファウンディングやIoT機器が流行る昨今ですが、デモビデオには気をつけましょう。インタフェースやインタラクション設計は時に「ビデオプロトタイプ」という方法を用いることがあります。まずそれにだまされないようにしましょう。続
— 渡 邊 恵 太 (@100kw) 2015, 4月 10
エンジニアやデザイナーのみなさんも、ビデオプロトタイプはあくまで利用シーンやコンテクストを確認する社内で検討する用途にしましょう。あるいはビデオプロトタイプ、コンセプトムービーと明示しましょう。
— 渡 邊 恵 太 (@100kw) 2015, 4月 10
「こんなものを量産化したい」「こんな発想のものを創りたい」的な、アイディアや技術、権利はあるけれど商品化、体現化が難しい事案に対し、ネットを使って広域からの投資を募る。投資してくれた人には開発者からのサインとか完成した製品そのものとかパーティーへの参加権といった、対象事案そのもののメリットを享受することができるけれど、金銭的な対価は期待できない......という、従来の投資とは少々異なる様式として、最近話題に登っているのがクラウドファンディング。まあ、くさい台詞になるけど「夢に投資し、実現化しよう」的な。
ただこれは、当方ももやもやと頭の中に浮かんではいたのだけど、今回の指摘で「ああ、そういうことか」として分かったのがこの問題。クラウドファンディングってのは多分に夢の体現化に係わる同志の募集のため、その対象となる事案の説明にはマルチメディア媒体、とりわけ動画が使われる。その動画に登場した内容が、「既に実現化している」ものと勘違いされやすい。ここがリスキーな話。
あくまでも動画のほとんどはプロトタイプ、コンセプトレベルでの動画。上では「ビデオプロトタイプ」という表現が使われているけれど、「ビデオプロトタイピング」とも言われているもので、いわば講演会などでよく見られるスライド式の資料解説を動画にしただけの話。文字よりも絵、絵よりも動画の方が直接感情に、しかもシンプルに訴えられるってことで、よく使われる手口ではある。インフォグラフィックスではなくインフォムービー、みたいな?
科学的な豆知識の解説ビデオでは最近多用されているこの手法。一度や二度ならずとも見たことがあるはず。
大手の記事でも明らかに実現できないだろこれってビデオを新技術みたいな紹介してたりして信用ならない
— β (@y_beta) 2015, 4月 10
こういう話は、研究者だと笑ってネタにするか、スルーするわけだけど、一般の人はそれを見ても「みんなで盛り上がってるようにしか見えない」と思うので、どういうことがちゃんと共有したほうがよいよね。
— 渡 邊 恵 太 (@100kw) 2015, 4月 10
コンセプトビデオを実物と信用してしまう人が多いことは否定出来ないし専門知識が無い以上仕方ない。クラウドファンディングの準備で一番お金をかけているのがプロによるビデオ撮影という、本末転倒な話も増えてきているらしい。 https://t.co/ztNZzti3q8
— Masahiko Inami (@drinami) 2015, 4月 10
@drinami 僕も例えば金融商品のリスク評価は素人そのもの。技術に関しても中立的な評価システムが必要に思える。
— Masahiko Inami (@drinami) 2015, 4月 10
これはクラウドファンディングに限った話では無く、投資事案一般(昨今問題視されている「上場ゴール」とか)、さらにはとりわけエンタメ系の商品とか(表紙と中味が全然別物の薄い本、レビュー用の一部のみを用意したサンプルで行われたレビューと実商品との違い、さらには動画のサムネイルと動画本編とか)にもいえることなんだけど、十分以上の精査と専門家による検証が必要。お金がかかってるんだから。......あー、例のAIIBも本筋の部分では同じようなもんだな。問題点としては。
で、「中立的な評価システム」ってのは結局格付け機関的なものになるんだろう。クラウドファンディングに関してはスピード感のある投資事案となるので検証は難しいかもしれないけれど、その存在の意義は十分にある気がする。面白おかしいで投資して、嫌になったら離れりゃいい、かけたお金は失ってもしゃーないかなってことになれば、詐欺事案が多発するだけの話だもんね。ハリボテ見せて超スゴイ完成予想図的な動画を創って金を集め、懐に収めた上で「失敗しますた」的なことをやられたら、たまったものでは無いからねえ。
あるいは。クラウドファンディングの運用側ではそのような問題事案が増えてくると全体の信頼性にも関わってくるので、資金面でのサポートをし、判断は中立・公明正大に行うという形にして、精査機関を併設する方がいいのかもしれないな。
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