インフラと足りる・足りないの話と裏方の話と

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先日本家サイトで【2015年夏の電力需給状況予測をグラフ化してみる(今夏電力需給対策向け先行記事)】にも掲載したように、総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会内の電力需給検証小委員会で今夏の電力需給の試算が出たことによって、各新聞社が「電力は足りる」系の記事を挙げたことから、それに絡んだあれこれが。新聞記事の問題点は、このようなセンシティブな話で、本来削っちゃいけない部分をざくざくと削ってしまうことにあるんだよね。ある時は仕方なく、ある時は都合の良いように。

で、新聞記事では無く、小委員会で提示されている報告書などを見れば分かる通り、そしてこれまでの状況と変わらず、上で指摘したように、日常生活の平穏無事的な環境における「足りた」ではなく、「子供の学資貯金切り崩し」「サラ金から多額の借金」「近所からも一時借受」など半ば後先考えずにやりくりして、どうにか夜逃げせずに済んでいる状態。まぁ、ぶっちゃけると「生きるか死ぬか」「ブラックアウトするかしないか」というオールorナッシングの概念で考えれば「足りた」になるのだけど、実情を見ればそれが異常状態の積み重ねであることが分かる。


結局マクドナルドの事案などでも指摘されてる「数字化されない部分での問題蓄積の放置」と同じ。突き詰めると。電力などのエネルギー問題は具体的数量化出来ているにも関わらず、それに目をつむってドヤる事がカッコイイ、社会正義にかなうと認識しているのが始末に負えない。この説明、最近は夏と冬のたびに繰り返している気がする。煽りネタのリサイクル、良くない。

ゴールデンウィーク明けに「2015年度夏季の電力需給対策について」が政府から出されるんで、その時にはまた同じことが繰り返される予感。いやむしろ確信。リサイクルはステキだけど、この類のネタのリサイクルは単なるリソースの浪費でしかない。


指摘を読んでいると思うのは、結局現状を「足りる」とする考え方は、ブラック企業的な主張をしているのに等しいんだよなあってこと。そもそも電力需給検証小委員会とか政府発の「電力需給対策について」が出る時点で異常な状況だってのが理解できてないんだろうな。そして多分に「無茶をしてでも間に合わせるのが当然、それが宿命」という感じの、まさにブラッククライアント的な事を平気で語り始める。まあ、そこに気が付いていればそもそも論としてそんなことを口にすることはないのだろうけど。

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このページは、不破雷蔵が2015年4月20日 07:19に書いた記事です。

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