「どのみちやっちゃう人はやっちゃうんだから、法規制なんて意味が無いのでは?」とドローンの法規制を否定的に見るのは正しいのか否か

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先日の【首相官邸屋上のドローンと法規制の話、そして「ロボット新戦略」】を掲載した後でも、いくつか似たような意見を頂いているので、そこから思ったことに関しても合わせて。

指摘の通り、どのように規制をしてもやらかしちゃう人はやらかしちゃうし、意図をせずして法に接触する事案を手掛けてしまうこともある。道交法があっても交通事故は起きるし、意図的な交通トラブルは発生しうる。

ただ、法的根拠があるかないか、その法的根拠に基づき国が強制力を発揮できるか否かってのは、非常に大きな違いがある。法的裏付けが無ければ「別に法で決められてないんだから、やったってかまわないじゃーん!?」みたいな話になるし(今件でもそれを主張する人は少なくない)。

いわゆるグレーゾーン、人の良心と倫理観、常識の上で判断されるべき領域、不文律の部分について、明文法で規定されていないから別にかまわないとする向きがあり、それが大手を振って歩くようになるから、仕方ないので明文化しましょうという話。「具体的に書かないと分からんの? 空気読め」「空気なんて読めない」という類。まぁ、法的拘束力を持つ側に、その不文律で判断してもらえばいいじゃんなんてことになると、それこそ専制政治になってしまうし、ね。

要は適正な施策を公権力にしてもらうための裏付け、見方を変えればガイドライン、暴走のための歯止めとなるものが法である次第。日本は法治国家である。法が無ければ放置国家になりかねない。


指摘の通り、多大なリスクが発生しうることを、言葉は悪いけれど実践してしまったわけだ、今回の事案というものは。あー、ここでアレか。犯人も実は政府機関の回し者で「ヤラセ」という話が出て来たのか。まぁ、三流小説のプロットとしては面白いし、昨今では現実とラノベの境界線が曖昧になるような事案が結構見られるので、創作ネタとしてはホールドしてもよいだろうけど、現実的では無い。可能性、選択肢として考察の材料にはなるけれど、確率論から考慮すれば、そのような事案は「可能性としてはあり得る」程度で事が済んでしまう。

で、先行記事でも指摘しているけれど、元々マルチコプターやらドローンに関しては、現行法の改正などで何らかの規制をかける予定ではあった。なので、そのプロセスが早まり、より現実的なものになるというだけの話。もしかすると独自法も制定されるかもしれない。それに関しては昨日聞く限りではフランスで先行する事例があるので、それらを参考にする可能性はあるとの話もある。


あくまで個人的な話ではあるけれど。バイクや自動車のような登録&免許許可制になるような、むしろその方が望ましい気はする。SFなどで「空飛ぶ車」ってのはよく出て来るけれど、無人とはいえ概念的にはそれに近いものがあるからね。あとは仕切り分けの問題だろうな。

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このページは、不破雷蔵が2015年4月26日 08:25に書いた記事です。

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