10分で終わる仕事、それを成すのに必要な10年の勉強

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以前にも何度か触れている、特に創作系の仕事に関する一つの問題点を漫画にしたもの。出来上がった商品そのものは10分でカタが付いたもので、クライアントは「なぜ実身10分の仕事でそんな料金を取るんだ」と首を傾げる。目の前で10分間の仕事の様子しか見ていないから。

答えとしては「10分で仕事を仕上げられるように、10年間を勉強に費やしたからです」。目の前の作業は10分でしかないけれど、その背景には10分もの蓄積が隠れている、という次第。

反論的な話として「むしろクライアントに『なぜこんな仕事が10分で出来るんだ』と言わしめる仕事をすべきじゃないか」というのもある。確かにそれはその通り。ただその場合は、クライアント側も「背景にある蓄積」についてある程度理解をしているから、特に取り上げるまでも無い。今件のように風刺画的な漫画で周知しなければならないのは、その「背景にある蓄積」を理解していない事案があるからに他ならない。

また「背景にある蓄積」などどうでもよい、目の前の創作物が良いモノか否かが問題だとの話もある。それも一理ある。ただ、本当にその創作物が「何の蓄積も無く、誰もがすぐに10分の作業で出来る物なのか」、「背景にある蓄積」が無いと構築できないものなのか。その判断ができる鑑識眼が、クライアント側には求められるんだろうな。その能力が無いと、ニセモノをつかまされることになる。

......まぁ、アレだ。色々と分かった上で、それでも「10分の仕事にしか見えない」とツッコミを入れて買いたたく事案ってのもあるんだけど。

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このページは、不破雷蔵が2015年5月13日 06:40に書いた記事です。

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