15歳ドローン問題と「囲い」と真の加害者と

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少年は以前から、ネットの動画配信サービスを通じて独自に動画を配信。今年2月には、川崎市の中学1年生殺害事件に関与していたとみられる少年の自宅をネット中継し話題になっていたほか、今月に入ってからは長野市の善光寺でドローンを墜落させたり、国会議事堂近くでドローンを飛ばそうとするなどして警視庁から再三にわたり厳重注意を受けていました。

今件については先日の首相官邸周りのドローン問題ですらかすんでしまうような話にまで発展すると共に、日本のドローン規制に大きな影響を与えた二人のうちの一人として歴史に刻まれるんだろうな、という感がある。で、さらに色々と話を見聞きし調べていくうちに、ドローン云々に限った話では無く、もう少し深い闇......というと陳腐ではあるけれど、どろどろとした部分が露呈されたような内容だったりする。先日ちらりと触れた、中学生の殺傷事件に絡んでネット中継をして、報道と一般人の境界線の曖昧さが指摘された件も、同一人物だった次第。


言い回しは少々過激な部分があるけれど、多分に指摘の通りで、YouTubeなどと違いニコ生は配信者と受信者の距離が近く、お金周りの話も行われやすいこともあり、ある意味温床化されてしまっている。似たような話はツイキャスでも見聞きするし、ツイッターにおけるパクツイ(パクリツイート。他の人のコンテンツやツイートを自らの生成物のように盗用ツイートして注目を集め、集客する方法)の理由のいくばくかはツイキャスへの誘導と知名度アップってのもあるからねえ。当方が見聞きしてないだけで、ニコ生誘導のためにパクツイしている人も居るかもしれない。

当事者に関する話は色々と錯綜しているし、裏が取れないものが多いのでアレだけど、当初思われていた「動画配信でアクセスを集めて広告費を活動資金に」というよりは、指摘の通り「動画配信で注目を集めて直接支援を受けて自分がヒーローになったかのような錯覚に陥り、実のところは操り人形と化している」的な見方の方が確からしさは高い。

分別を持つ大人ならこんなノリにはならないのだろうけど、まだ分別がしっかりと構築されていない精神年齢の人が、いきなり大金なり高価な物品を与えられ、しかも不特定多数の人から注目されたらどうなるか。誰もが同じような行動をしでかす事は無い、可能性はゼロであると断言できるだろうか。まぁアレだ。YouTuberなども良い例だよね。

今件事案は、SF映画によくある「富豪が他の娯楽に飽きて、自分の身柄が分からない仕組みで自分の金を犯罪者に提供し、その様子を蚊帳の外から眺めてニヤニヤする」的な、足長おじさんとはまったく逆の人間の一面を見せられているようで、色々と複雑な心境だったりする。あるいは「カイジ」に出てくるさまざまなゲームのような。

いわゆる支援をしている側、「囲い」と呼ばれる人たちは単に「面白そうだから」「面白ければ何でもイイじゃん」的なノリなのかもしれない。法的な面での幇助の適用は......まぁ、現行法では難しいのかもしれないが、今後の動向を見極めたい。

支援をしている側は、個々は少しの(と思っている)悪意なんだろう。しかしそれがネットで積み重なり集約され、個人に投下されることで体現化されうる......奇妙な時代ではある。


お金ってのは確かにサービスやリソースの分散化した物差しではあるけれど、指摘されているような類の使われ方をされるってのは、諸刃の剣的な話で仕方ないのかなと思うと共に、どうにかする必要性があるってのは否定できない。


今件は結局、簡素にまとめるとこんな感じなんだよね。ここで糸を使ってあやっていた人達の首根っこを押さえこまないと、また同じような人形が世に放たれることは容易に想像できる。何しろ「社会に仇なすカコイイ俺様」はいつでも人気だし、それを求めている人、そして成りたい人、成る要素を持つ人はニコ生やYouTubeやツイキャスの実情を見れば一目瞭然だからね。

つまり今件は特にドローンで無くても、該当当事者の15歳でなくともありえた話ではある(むろん当事者にはそれなりの特異性があったことは否定できないけれど)。根本的な対策を講じないと、同じようなことがまた繰り返されるのではないかな......と思うのは当方だけではあるまい。

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このページは、不破雷蔵が2015年5月22日 08:05に書いた記事です。

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