依頼相手に本気の仕事をさせたければ、相手が期待する三倍のギャラを出せって聞いたことがある。自分に当てはめてみると、そりゃあそれだけ貰えるとなれば本気になるわさ。 https://t.co/u8YMEzgZVC
— 笹本@ARIEL SS 地球編発売中 (@sasamotoU1) 2015, 5月 16
クリエイター系の仕事は特にその傾向が強いのだけれど、報酬はその人の仕事そのものや、さらには人物自身の評価にもつながる。「対価」ってのは対象に見なした価値だから、額面はそのまま評価の高低と見なされる次第。【値切りをして良い相手としてはいけない相手】などという話も以前したけれど、まさにそんな感じ。
3倍ってのはちょっとオーバーに聞こえるかもしれないけれど、そして現実には難しい話ではあるけれど、この「対価」「評価」のことを考えれば十分に理解はできる。それだけ期待をしているのだから、それに応じてくれよな、という意味がその金額には含まれていることを、仕事の受け手側も理解はできる。また、次回以降の仕事も奮起してしまう。自分が認められたってのを認識できるわけだからね。
仕事がうまく回ってくると実入りが良くなるけれど、その状況に対し「金の亡者になった」云々と酷評する人がいる。それも一理あるけれど、実のところは「自分はこれだけの評価を得られるようになった」という満足感でもあるんだよね。いわば勲章とか経験値によるレベルアップみたいなもの。
"本来、30万円までなら予算を割り振れる依頼を、相手の足元を見て10万で発注し「わーい20万円のコストカット」と喜べたとして、それで本当に「30万円かけて作ろうとした成果物」が手に入ると思ってますか?"
http://t.co/6p3eOv0z1m
— 廣田恵介 (@Hirota1967) 2015, 5月 16
逆に考えると、不必要な値切りは値切った相手に対して低い評価をしていると間接的に伝えることになる。その時はコストカットを果たして自前の利益を増やし、内部で評価を得られるかもしれないけれど、その分だけ相手、さらには周辺から見られる目は厳しくなる。「あの程度にしか評価してくれないんだ」と。
仕事を受ける側が他に選択肢が無く、どうしようもなくて受理するしかない状況ならその関係は維持されうるかもしれないけれど、いったん環境が変化する、例えば仕事の受け手が他にもっと良い条件で仕事を発注してくれるところを見つけたら、さっさと乗り換えてしまうかもしれない。例えば今の某牛丼チェーン店や某居酒屋など、デレフ時代に大手を振って栄華を示していた一部企業が青色吐息なのも、仕組みとしては似たようなものなのかもしれないなあ、と。
代金、対価、ギャラってのは、単純にサービスや物品と引き換えで相手に渡すもの、と見るのもありだけど。その中には色々な意味が込められている。お金が持つ意味を、もう一度考え直してみる必要があるんじゃないかな。
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