陳列用の見本であることは、対象となり得る人が容易に理解できる文章で書かないと

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コンビニに置かれているプリペイドカードがあそこまで普及したのは、需要の大きさや単価の高さに加え、盗難防止策に優れていることと費用対効果が高いのが要因。後者は面積比で考えればすぐに分かるし、前者は陳列されているカードだけでは単なる紙なりプラの板に過ぎず、レジで清算してはじめてアクティブ化され使えるってのがポイント。つまり店内展示の状態では、見た目が製品と同じではあるものの、実質的には見本品に過ぎないってもの。データを販売するビジネスだから出来る、面白い発想ではある。

で、そのプリペイドカードの仕組みはほとんどの人は分かっているはず、ではあるのだけど、時々半ば笑い話的に、カードのみが盗まれてしまう、さらには盗んだカードが当然使えないのでクレームをつけにくるって話を目にすることがある。どこまで本当なのかは精査のしようがないけれど、定期的に多様な文面で上がってくるところを見ると、コピペの類ではなく、実在するのだろう。

そのような話もあり、多くは無いけれどプリペイドカード売場においても、「レジで精算してはじめて利用できるようになります」的な注意書きが書かれているものもある。なるほどな、とピンとくる人はさほど多くはないのだろうけど。

そんな話を思い出したのが、この指摘。確かにドラッグストアやコンビニのたばこなど、サイズが小さくて単価が高い、見方を変えると盗難されやすいアイテムの類は、「陳列用の空き箱。レジまでお持ちください」的な表記をされているものが結構ある。在庫が結構あって棚に置ききれないのだろうな、との考えもできるけど、多分に万引き防止用なんだろう。

万引きをする層のことを考えると、より分かりやすい、ぱっと見で理解できる文字列を使う方が効果的だとの指摘は確かにその通り。「陳列用空包装」では第一印象で「中身がカラであり、それを盗取しても意味は無い」までの認識をすることは難しい。「中身はカラで箱だけです。レジまでお持ちください」的なことを書けばよいのだろうな。

主張したいことは良くわかるのだけど、主にどのような対象に向けたメッセージなのか。そこまで配慮が及ばないと、その効果は半減してしまう。子供向けのお菓子を棚の最上段においたり、難しい漢字を並べおどろおどろしいデザインのパッケージにすると、中身がどれ程良くても手に取られにくくなる。先日の某深海魚のお菓子も、その辺りでヘタを打ったのかもしれない。

お店には色々な工夫や努力、失敗まで、多様な想いが凝縮され陳列されている。そう考えながら散策すると、お買い物も今まで以上に楽しくなるに違いない。

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このページは、不破雷蔵が2015年5月 7日 08:02に書いた記事です。

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