「箱根山噴火 火砕流被害予想地域図」なるものは数年前のネタ絵のリサイクル的な話

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↑ 「箱根山噴火火砕流被害予想地域図」なるもの
↑ 「箱根山噴火火砕流被害予想地域図」なるもの


目立ちたい、注目されたいという承認欲求の衝動的なものはだれもが持ち合わせているものだけど、ネットコミュニティの浸透でそれが増幅された感はある。その際に用いる手段がコンテンツ盗用やウソネタの利用ってのは問題だけど、より大きな問題なのは、それが煽動方面で使われていること。恐怖や痛みってのは直接生命に係わり得るから、注目をされやすい。「目立ちたい」との観点でみれば、これほど効率的なものはない。

で、先日から箱根山周りで小規模噴火の恐れがある火山活動が続いていることもあり、注目を集めたい方々がこぞってネタとして取り上げる事態が生じている。その一つがこの「箱根山噴火 火砕流被害予想地域図」。いかにもそれっぽい図版で、単独、あるいは適当な解説付きで四方八方に広がっている。まぁたどると大体デマ系のツイッターアカウントとか、悪質系なまとめサイトや、そしてネイバーまとめ。またお前らか、みたいな。

これについては官公庁の公式データなどではもちろんなく、研究者による検証データの類でもなく。元々一次ソースが無い以上、確証性はアレでナニ。まぁ震災以降、その類のが別セクタの自称専門家の手によっても山ほど出てきてしまったからねえ......。


色々とデータをたどったけれど、分かる範囲では数年前に2ちゃんねる向け画像アップローダーにアップロードされた上でスレッド内の書込みに引用され、それがもとでまとめられ、ネタとしてあちこちのブログに散布された......もののそれからしばらくは埋もれたまま。その上で昨今の箱根山の活性化に伴い、再びサルベージされた感じ。いずれにしても元ネタは不確かなもので、裏付けは何も無し。要はネタ画像。

この類のデータは一次ソースがはっきりしないことで不安を増長させるのに加え、元々掲載されている内容がインパクトのあるものだから、恐らく数日のうちに再利用される可能性が多分にある。今のうちに予防線を、という観点も合わせ、覚え書きとして。

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このページは、不破雷蔵が2015年5月 9日 08:26に書いた記事です。

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