戦争という言葉の定義と補給や情報の大切さと

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これはまた機会を改めて自分でも絡め直した方がいいのかもなあ、という「戦争」なる言葉の定義と、情報や補給の大切さの話。数年前のインド洋方面での活動に絡んだガソリン供給の停止措置の時にも色々と違和感を覚えたのだけど、やはり現在においても補給やら後方における支援体制への軽視の風潮は変わらないのかなあ、という感はある。本来はそれこそが大切なものであるってのを教育や報道が教え諭す必要すらあるのだけど(生命線だしねえ、日本にとっては)、やってることはむしろ逆。


先日の「戦場ジャーナリスト」の話ではないけれど、直接の軍事力行使による戦闘行為ってのは目立つし、印象度が高いし、何より分かりやすい。だから糾弾の対象にもし易いので、分かりやすい攻撃目標としてのイメージに、「戦争」は全部ドンパチものだ的なものを挙げたのではないかな。「ちゃんと考え」無くても、叩くという目的には何ら支障はないもの。

下痢はともかく(笑)、非致死性の掃射型兵器「Active Denial System」ってのは実在するからねえ。【対人放射型電子レンジ兵器「Active Denial System」アメリカで公開、2010年には実戦配備へ】などでも紹介したけど。

戦争ってのはぶっちゃけると、国同士の喧嘩。 その手段の一つとして軍事力の行使による物理的な殴り合いがあるに過ぎない。つまり外交の一部門。一番わかりやすく、直接的だから、戦争=軍事力の行使「のみ」と思われがちだけど。外交によって他の勢力に自勢力の思惑を強要しようとした場合、その時点ですでに戦争は始まっている。外交文書による宣戦布告が無くとも。戦車や戦闘機で敵国に攻め入ることだけが戦争じゃない。そして実際に軍事力の行使による戦争にかぎっても、直接戦場で戦闘行為を行う兵器だけが戦争に寄るものでは無い。

加えるならば、補給・情報・外交にプラスして、情報を収集して整理統制し、意思決定機関に適切な情報を提供し、蓄積していつでも取り出せるようにする「仕組み」も必要。補給も情報も外交も、ただあるだけでは意味が無い。

「戦争は兵器で直接なぐり合うもの(だけ)」とするミスリード的考え。そしてそのイメージを振り回して「戦争は良くない」とするもの。ならばアレかな。直接第一線に配する実装備品を現状から1割程度減らして、代わりに交換用「機材」や補給関連の装備を超充実し、さらに情報関連の組織を拡充しても、「軍縮だから尊い」的に評価してくれるのかな、その筋の方々は、とか思ったりもする。

ともあれ。「戦争」との言葉が独り歩きしている感は強いけれど。使われている場面毎に定義が曖昧過ぎるのが非常に気になる。「あなたが今言及した『戦争』という言葉、具体的にはどのようなものを想定してしますか。いかなる意味で用いていますか」と尋ねると良いかもしれないな。

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このページは、不破雷蔵が2015年5月18日 08:08に書いた記事です。

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