①大阪市における特別区の設置についての投票 http://t.co/CNodDozLDf と大阪市の住民基本台帳 http://t.co/2FSDP87vLS から。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 5月 18
②行政区別「投票中の賛成率」(高い順)と、20歳以上人口と投票者数から試算した「単純投票率」。横軸の順序は同じなので相対比較が可能。投票率が高い所ほど賛成率が高いようには見えない。 pic.twitter.com/KagWKC029a
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 5月 18
先日大阪市で実施された、特別区を作るか否かを決める住民投票。その結果自身はもとより、投票内容に関して魑魅魍魎......と表現しても良いような論説なり意見記事なり妄言が飛び交っているので、公的データを元にちょいといじって見た話とか、その他いろいろと覚え書きも兼ねて。まぁ、ぐだぐだした話が出ているのは、多分にテレビの出口調査の結果が独り歩きしているのと、結果内容を半ば悪用してる筋が話を広めている感が強いのだけれど。
③20歳以上人口から試算した、行政区毎の賛成・反対・棄権比率。投票率は高かったけれど、それでも全区で、最低でも賛成・反対いずれかの選択肢を上回る棄権率。棄権者の投票行動次第で如何様にでも動いた可能性。 pic.twitter.com/0bKgAloizs
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 5月 18
④そして20歳以上人口における60歳以上人口の比率を用いて。単純投票率との間にはゆるやかな相関関係がありそうな雰囲気。左に行くほど高齢層比率が多い区で、そちらの方が投票率が高めに出でいる。でも近似曲線の傾斜は緩やかで相関関係は薄め。 pic.twitter.com/coXi6EHmve
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 5月 18
⑤一方、反対率(投票中反対数)と60歳以上人口比率の間にはより密接な相関関係。近似曲線の傾斜がややきつめ。 pic.twitter.com/N4eKJlrQoM
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 5月 18
⑥恐らくは、年齢階層別投票率はちょっぴり高齢層の方が上、年齢階層別反対投票率は結構な割合で高齢者の方が上ではないかな、と。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 5月 18
⑦ただしこのような状況でも総計が僅差であったということは、見方を変えると、もう少し若年層の投票率が高ければ、総数における賛成・反対の関係は逆転していた可能性は多分にあった気がします。以上。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 5月 18
各区住民の収入や資産、就業状況、持家比率などを抽出できればまた別の、相関関係への推測ができるのだろうけど、とりあえずすぐに取得できた住民基本台帳のデータを元にした精査を。やはり棄権票が多く、賛否は容易にひっくりかえせる可能性があったってのと、各区の年齢階層別構成比率と投票率や賛否率を比較すると、投票率そのものにあまり相関関係は無いけれど、投票した人のうち反対率が高い区では高齢層が多い傾向がある。具体的データは出ていないけれど、「年齢階層別投票率は、高齢層の方が少し上」「年齢階層別反対投票率は、それなりに高齢層の方が上」という推測が出来る。
で、その推測が出来るデータが出ている上で、投票者の賛否が僅差だったということは、もう少し「賛成票を投じる可能性が高い」若年層(これは高齢層の方が反対票を投じている可能性が高いという上記推論から導き出されるもの)の投票率が高いものとなれば、違った結果が出る可能性はあったな、という感じ。
トリヨリガーとみんなうるさい割りに誰も作らなかったので、とりあえず区ごとの高齢化率と惜敗率の関係を票とグラフにしてみた。 #大阪都構想住民投票 http://t.co/UZzbN6Oxa0 http://t.co/g53gAaECMK
— あかさたな (@emesh) 2015, 5月 18
@emesh 出回っているテレビなどの報道の世代別投票率は、あくまでも出口投票の結果でサンプル数が少なすぎるのと、恣意的な実投票とは別の回答の可能性がありますので......。今件は公的情報のみを用いた次第で。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 5月 18
@Fuwarin 報道の調査は私も何か間違ってると思うんだけど。高齢化率が高い区の相関と惜敗率は-0.7の負の相関がありました。http://t.co/6lDzXXWWze
— あかさたな (@emesh) 2015, 5月 18
@emesh むしろ年齢階層別投票率の方に多分に影響がありそうな気がしますが、こればかりは公的データが無いと。。。あくまでも推論。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 5月 18
こんな指摘もある通り、やはりテレビ報道で伝えられた出口調査の結果が独り歩きしている感があるのだよね。あれはあくまでも「実投票をして」「聞き取り調査に答えた」「少数サンプル」の結果。サンプル数はそれなりに十分だろうけど、果たして全地域を網羅して実投票の状況が反映されるようなものとなっているか否かまでは、広まっている画像だけでは判断が出来ないし......。
【修正】大阪都構想・区毎の結果が如何に拮抗していたかをグラデーションで表現しました。(左の図で城東区と旭区の色が逆だったので直しました)
https://t.co/DyYoIdoRpN pic.twitter.com/UDb3YyddH9
— 五味馨 (@keigomi29) 2015, 5月 18
どちらが多数かで塗るとあたかも大阪市が南北に分断されたかのような印象を受けますが、実際はどの区でもほぼ半々に割れています。仮に大阪市民の間にこの問題を巡って分断があったとしても南北にではありません。https://t.co/DyYoIdoRpN
— 五味馨 (@keigomi29) 2015, 5月 18
当方は図版の仕切りが下手なのと、図を使うと地域的なフィルタがかかりやすい(分かりやすくはあるけれど、正しい状況を見間違うリスクも生じる)ので避けたれど、これは結構興味深い。当方のグラフでも多くの地域が投票数のうち賛成票数が5割前後であったことからも分かる通り、かなり均衡した状況で、どの地域が明確にこちらサイド、あちらサイドって色合いは無い。ましてや南北問題やら格差云々ってのは無い。
「大阪都構想住民投票」で浮き彫りになった大阪の「南北格差問題」|古谷経衡
http://t.co/Z9yqQzDTTC
←賛否で2値化すればそう見えるが、%を考慮すれば南北格差とは言えないhttps://t.co/e9O3EhODRS pic.twitter.com/qlFTLpKWDv
— スポメン大阪 (@SMC_Osaka) 2015, 5月 18
貧富の差とか世代による意識の違いですっぱり切り分ける方が、そら評論家(笑)にとっちゃ楽だよな。評論()の対象となった側に対立の種まき散らしても知らんぷりしてりゃいいんだから
— 春の日差しでパワーダウンしてる各務原 夕 (@nekoguruma) 2015, 5月 18
大阪の「南北格差問題」の件。コメント見たらツッコミが入りまくってて、特に「現場の事知らんよな」的なものが多いのが印象的 http://t.co/9heMhCgCCj 先日「孤独のグルメ」が載っているので買ったSPAにも記事掲載してた筆者ではあるが......
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 5月 18
"最初に結果がある典型的な主張。大阪以外の地域に住む人には、納得できるのかもしれないが、大阪に住む人には、あきれてものが言えないぐらいの駄文""地理的認識がでたらめのようだ"とか。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 5月 18
米大統領選挙のように、各区分で一票でも上の選択肢が、その区の全票をゲットできる仕組みでは無く、あくまでも全体の累積票の比較で決まるのだから、各区の傾向を見る際に「どちらが多いか」の二択で表示をするのは誤解を招くのですね、これ。
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 5月 18
大阪の選挙に関しては同じ場所でも 大阪の住民投票結果から見えるもの http://t.co/FfF2kVYDjB という、やはり投票結果を精査した様には見えないと指摘された記事もありますし、露呈されたのは大阪の実情では無く、それに便乗する周辺の「思惑」という皮肉な話なのかも、です
— 不破雷蔵(懐中時計) (@Fuwarin) 2015, 5月 18
言及すべきことは大よそ上で触れた通り。浮き彫りになった大阪の「南北格差問題」という主張はあるけれど、それって語り手が勝手に彫って浮かしているだけみたいな感じ。住民投票結果から見えるものという感じで色々と斜め上な評論が展開されているけれど、「お前がそう思うんならそうなんだろう お前ん中ではな」レベルでしかない、というのが率直な感想だったりする。いずれもそれなりに、特定方面では権威を持つ人たちの語りであることから、頭が痛い......と思ったら、それぞれの記事のコメントに相応なツッコミが入りまくってて、やはりなあ、という。
分かりやすいと正しいは別物よ。そして今件ならば賛否を問う対象となる政策そのものへの個人的な感想と、選挙の結果自身やその結果から推測できる状況の分析は別物。ごっちゃにしてしまうと、精査にバイアスがかかってしまうのだよね。ましてやそれをネタに、自前の布教したい心境を混ぜ込んだり、叩きたい対象に話をシフトするなど問題外、という次第。
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