「山田うどんの賃上げに経済政策の弱点を見た」「えっ」

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人手不足の中、従業員を必死で確保するために賃上げしたというのです。アベノミクスの"好循環"で描かれる消費の拡大から業績の回復へという理想とは違う厳しい現実。


「経営環境は厳しくなるかと思います。その中でいろいろ企業努力をしていかざるを得ない」(山田食品産業 山田裕朗社長)

賃上げは痛みを伴う選択でもあり、アベノミクスが描くシナリオには盲点と課題が見えてきました。


先日の朝日新聞による保存精子報道でも指摘されているけれど、多分に感情を揺さぶるような報道内容は書き手側の意図が混じり、事実が偏向されている可能性が高いので注意をして読み解く必要がある。今件も元々はニュース映像の書き起こし的なもののようで、演出的な部分が多分にある。まぁ、もともと一過性の映像でさらりと伝える意図のものが、文字で繰り返し読まれたのでは、粗も出るというもの。読み直してみると指摘の通り、「は!?」というツッコミをしたくなる解説がされている。


労働需給やこれまでの経済状況、そして景気後退・回復時にどのような変化を労働市場が遂げていくのかを調べ学び、そして実態を想像する能力があれば、指摘のような結論は容易に導き出せるし、報じられた主張は「お前は何を言ってるんだ」的な内容でしかないことも分かる。報道が語っていることがすべて正しいとは限らないってのは昨今の風潮ではあるけれど、どうもこの辺りのトンチキなものが増えてくると、「仕事してるの?」的な感はある。

いや、「事実か否かはどうでもいい。目立って注目させて煽って視聴率が稼げればそれでいい。だって商売なんだから」ってのなら、仕事をしていることにはなるけれど。でもそれ、報道じゃなくて単なる煽動家の仕事だよね。


報道機関の経年劣化。技術の伝承の不足。元々技能が無いものを伝達技術でカバーしてきたけれど、その伝達技術がインターネットでハードルが下がってしまい、優位性が無くなった、化けの皮がはがれた。いずれかではなくいずれもで、それが重なった結果が現在の状況かな、という気はする。で、報道の本髄部分よりもビジネスとして売るってのが先行するし、昔の手法を頑なに守るしか自らの立ち位置を確保できないし、中には「核心的利益」に基づいて報道の立場を利用している人も居るし。ぐだぐだになるのは仕方がない。

「判断に必要な情報を正しく広める」という前提の欠落との懸念はあるけど、これ一つ前提があって。「元々の報道が『判断に必要な情報を正しく広め』ていたのか否か」。化けの皮云々って表現をしたけれど、実は確からしさの観点では昔も今もさほど変わらないのではないかとの可能性もある。これもまたAll or Nothingではないけどね。可視化によって暴露されただけってのなら、しっかりと仕事をしているところは残るだろうし、ダメなところは煽りや脅しで一時的な受けは狙えるだろうけど、段々と「そういう場所なのか」とのイメージが広まってしまい、別物に変形してしまうのではないのかな。「また朝日か」みたいな感じで。一朝一夕にはいかないだろうけど。

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このページは、不破雷蔵が2015年5月22日 08:02に書いた記事です。

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